自動車保険の保険料は、走行距離条件の申告区分によって変わります。契約時に申告した内容と実際の使用実態にズレがある場合、区分を見直すだけで保険料が下がることがあります。この記事では、走行距離割引の仕組みから現状の確認方法、見直すべきタイミング、具体的な手続きの流れ、注意点までを保険のプロが解説します。
- 走行距離条件の申告区分を見直すだけで、自動車保険料が安くなる場合があります
- 保険会社は走行距離をリスクの指標として保険料に反映しており、実態とのズレが見直しの原資になります
- まずはオドメーターで現在の走行距離を確認し、更新のタイミングで申告内容を見直しましょう

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格
- 損害保険募集人資格
- 生命保険募集人資格
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- FP2級
保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%
自動車保険の「走行距離割引」とは?見直すだけで安くなる仕組み
自動車保険の保険料は、契約時に申告した年間走行距離の区分によって決まります。走行距離条件を見直すだけで、保険料が下がる場合があります。特に、ライフスタイルの変化で車に乗る機会が減った方は、申告内容が実態と合っていないケースが少なくありません。
弊社がこれまでご案内してきた個人契約と法人契約の比較でも、個人契約は年間走行距離が短いほど保険料が安くなる傾向がある一方、法人契約の営業車や配送車のように年間数万kmを走ることも珍しくない車両は、そのリスクが保険料に反映されやすいという対比があります。走行距離をリスクの指標として保険料算定に用いる考え方は、損害保険料率算出機構が算出する参考純率等を通じて保険料算定の基礎に関わっているとされる枠組みにも通じるものです。
弊社でも保険代理店として日々の個別相談を承る中で、走行距離条件をあらためて確認しただけで割引が適用されやすい状態に気づかれるお客様は少なくないという実感があります。まずはこの仕組みを理解しておきましょう。
走行距離が保険料に影響する理由(リスク量に応じた保険料設計)
自動車保険は、事故が起こる確率(リスク)に応じて保険料が設計されています。走行距離が長いほど事故に遭う機会が増えるため、保険会社は使用予定距離を重要なリスク指標のひとつとして保険料に反映しています。逆に申告距離が短ければ事故リスクが下がると見なされ、保険料も安くなる仕組みです。
割引が適用されやすい3つのケース(在宅勤務化・車の使用頻度減・セカンドカー化等)
以下のようなケースでは、距離区分の見直しによって割引が適用されやすくなります。
- 在宅勤務が増え、通勤での利用が減った
- 電車やバスへの切り替えが進み、車の使用頻度が下がった
- 家族の車が増え、メインカーからセカンドカーの扱いに変わった
心当たりがある方は、次の章で現在の利用実態を確認してみましょう。
今の走行距離、正しく把握できていますか?割引区分の確認方法
自動車保険の走行距離割引を見直すには、まず現在の使用実態を正しく把握することが出発点です。契約時に申告した区分と、実際の走行距離がズレていないかを確認しましょう。
弊社の個別相談でも、契約時に申告した走行距離条件と実際の使用実態にズレが生じているというご相談をよくお受けします。ライフスタイルの変化によって、申告内容がそのままになっているケースは珍しくありません。
よくあるズレの例: 転勤で通勤距離が短くなった、車を買い替えて主な用途が変わった、家族で車を共有するようになった、など。契約時のままの申告内容になっていないか、一度確認してみましょう。
オドメーター・トリップメーターでの確認方法
オドメーターの数値を確認するだけで、現在の走行距離を概算できます。オドメーターは車の総走行距離、トリップメーターは一定期間の走行距離を示すメーターです。車検証は国土交通省が所管する制度のもとで交付される書類で、記載された走行距離の履歴も申告距離を確認する手がかりになります。契約更新日にトリップメーターをリセットしておくと、次回の見直し時に利用実態を把握しやすくなります。
走行距離の目安を算出する3つの方法(使用目的別に算出/車検証の記載を参考にする/1ヶ月の走行距離から概算する)
トリップメーターの記録がない場合でも、以下の方法で申告距離の目安を算出できます。
- 通勤・買い物・レジャーなど、使用目的別に月あたりの走行距離を積み上げて算出する
- 車検証や点検記録簿に記載された走行距離の履歴を参考にする
- 直近1ヶ月の走行距離を確認し、12倍して年間の目安とする
いずれの方法でも、あくまで目安であることを踏まえたうえで、次の章の区分と照らし合わせてみてください。
走行距離割引の見直しで保険料はどれくらい下がる?区分の目安と申告方式
走行距離条件を見直すと、保険料はどの程度変わるのでしょうか。ここでは、区分の目安と申告方式の違いを整理します。保険会社によって区分・申告方式の基準が異なるため、複数社を比較したうえで見直すことが大切です。
主な走行距離区分の目安(3,000km以下/5,000km以下/10,000km以下 等、保険会社によって異なる旨を明記)
主な保険会社の走行距離区分(申告方式別の例)
- SBI損保: 「3,000km以下」から「15,000km以上」までの5区分(過去1年間の走行実績で申告する方式/SBI損保公式サイトより)
- チューリッヒ保険会社: 「3,000km以下」から「15,000km以上」までの5区分(今後1年間の予定走行距離で申告する方式/チューリッヒ保険会社公式サイトより)
- 東京海上ダイレクト: 8区分に細分化(過去1年間の走行実績で申告する方式/東京海上ダイレクト公式サイトより。具体的な区分の刻みは各社サイトでご確認ください)
区分の刻み方・呼び方・割引の反映の仕方は保険会社ごとに異なります。具体的な保険料額や割引率は各社とも公表されていないため、あくまで一般的な目安としてご覧いただき、正確な金額は加入先の保険会社・代理店にご確認ください。
保険会社によって異なる申告方式(「予想走行距離」型と「前年(過去1年間)走行距離」型の違い)
走行距離の申告方式には、大きく分けて2つの型があります。ひとつは、今後1年間の使用予定距離を申告する「予想走行距離」型で、チューリッヒ保険会社などが採用しています。もうひとつは、直近1年間の実績をもとに申告する「前年走行距離」型で、SBI損保や東京海上ダイレクトなどが採用しています。保険会社によっては、契約した距離区分の上限より実際の走行距離が少なかった場合に、翌年以降の保険料から割引を受けられる仕組みを案内している例もあるようです。どちらの方式を採用しているかは保険会社によって異なるため、見直しの際は自分が加入している保険会社の方式を確認しておく必要があります。
なぜ保険会社によって走行距離区分の考え方が違うのか(中立比較の価値を示す軽い橋渡し)
区分・申告方式が保険会社ごとに異なるのは、各社が独自のリスク評価モデルを持っているためです。同じ利用実態でも、保険会社によって割引の効き方が変わることがあります。弊社は特定の保険会社に偏らないご提案を行う中立代理店として、複数社の区分・申告方式の違いを踏まえたご案内ができる点を強みとしています。
走行距離の見直しはいつやるべき?ベストなタイミング
走行距離区分の見直しは、いつ行うのが良いのでしょうか。ここでは、見直しに適したタイミングを整理します。
弊社の個別相談では、保険の更新時期やライフイベントの発生をきっかけに、走行距離見直しのご相談をいただく傾向があります。日々の慌ただしさの中で後回しになりがちな見直しも、タイミングを決めておくと取り組みやすくなります。
保険の更新(満期)タイミングでの見直し
更新(満期)のタイミングが、走行距離条件を見直す最も自然なきっかけです。更新時には契約内容全体を確認する機会があるため、申告内容もあわせてチェックしておくと、申告漏れや区分のズレを防ぎやすくなります。
ライフイベントで走行距離が変わったタイミング(在宅ワーク化・出産・転居・車の使用頻度変化等)
以下のようなライフイベントが発生したタイミングも、見直しの好機です。
- 在宅ワークが増え、通勤での車利用が減った
- 出産・育児で車の使い方が変わった
- 転居して通勤・通学のルートが変わった
- 副業を始めて車の使用目的が増えた・減った
更新を待たずとも、利用実態が大きく変わったと感じた時点で保険会社(または代理店)に相談して差し支えありません。
走行距離見直しの具体的な手続きの流れ
走行距離条件の見直しは、実際にどのような流れで進めればよいのでしょうか。ここでは具体的な手続きのステップを解説します。
走行距離見直しの基本的な流れ 1. 現在の契約内容・走行距離の実態を確認する 2. 保険会社(または代理店)へ申告内容の変更を依頼する 3. 必要であれば、複数社で見積りを比較する
現在の契約内容・走行距離の実態を確認する
まずは契約中の保険証券で、申告している距離区分を確認しましょう。そのうえで、前章で紹介した方法を使って、実際の走行距離の目安を算出します。両者にズレがあれば、見直しの対象になります。
保険会社(または代理店)へ申告内容の変更を依頼する
利用実態が変わったことを確認できたら、加入している保険会社、または代理店経由で契約している場合は代理店へ連絡し、申告内容の変更を依頼します。弊社が代理店として承る場合も、現状確認から申告内容の変更依頼まで、まずは丁寧なヒアリングから進めるようにしています。
複数社で見積りを比較する場合のポイント(中立代理店だからこそ提供できる視点)
走行距離区分を見直すタイミングは、保険会社を比較検討する良い機会でもあります。複数社を比較できるのは、特定の保険会社に偏らない中立代理店だからこそ提供できる視点です。同じ走行距離条件でも、保険会社によって保険料や補償内容が異なるため、比較したうえでご自身に合ったプランを選ぶことをおすすめします。
申告した走行距離とズレた場合の注意点(割引・追加保険料の両面)
走行距離条件の実態が変わったら、申告内容もあわせて見直すことが大切です。見直しの際は、申告後に実態とズレが生じた場合の扱いも知っておく必要があります。
申告より実際の走行距離が超過した場合(補償の可否・追加保険料)
申告した区分を実際の走行距離が超過した場合、多くの保険会社では追加保険料が発生することがあります。補償自体が受けられなくなるわけではありませんが、大幅に超過した状態を放置せず、実態に応じて申告内容を見直すことが望ましいでしょう。
申告より実際の走行距離が少なかった場合(割引・返金の可能性は保険会社次第)
反対に、申告よりも実際の利用実態が少なかった場合は、保険会社によって割引や保険料の一部返金が受けられることがあります。対応の有無や条件は保険会社ごとに異なるため、契約内容を確認するか、代理店に問い合わせておくと安心です。
虚偽申告のリスク(保険金支払い時に発覚するケースがある旨)
保険業法は保険会社の監督官庁である金融庁が所管しており、契約者には契約時や更新時に重要な事項を正確に申告する告知義務が求められているとされています。実際の走行距離より少なく偽って申告することは、この告知義務に反する可能性があります。
走行距離を実態より少なく偽って申告することは避けましょう。事故発生時の調査で実際の走行距離との乖離が判明すると、保険金の支払いに影響する可能性があります。走行距離は、正確な実態に基づいて申告することが大切です。
走行距離割引以外にも見直せる保険料削減のポイント
走行距離条件の見直し以外にも、自動車保険の保険料を見直せるポイントはいくつかあります。弊社の個別相談でも、走行距離とあわせて以下の項目についてご相談いただく機会が多くあります。
走行距離以外でよく見直しが入る項目
- 運転者年齢条件・運転者限定特約
- 等級・契約形態(個人契約と法人契約の切り替え等)
運転者年齢条件・運転者限定特約の見直し
弊社がこれまでご案内してきた事例でも、個人契約は運転者を本人限定や家族限定などに絞り込むことで、保険料を安くできる傾向があります。一方、法人契約は従業員が複数人で車両を共有することが多く、運転者を限定する設定が難しいという違いもあります。子どもが独立して運転者が減った場合など、運転者限定特約とあわせて見直すことで、保険料が適正化されるケースがあります。
等級・契約形態の見直し(法人契約への切替や等級継承等)
事故の有無によって変わる等級や、個人契約・法人契約といった契約形態も、保険料に影響する要素です。特に個人事業主の方や、車を法人名義に切り替える方は、契約形態の見直しによって保険料が変わる場合があります。詳しくは自動車保険のデメリット等級を逃れる方法や、自動車保険の法人契約と個人契約、あなたの車はどっち?もあわせてご参照ください。
まとめ
自動車保険の走行距離割引は、契約時の申告区分と実態にズレがある場合、見直すだけで保険料が下がる可能性がある項目です。オドメーターでの確認、更新タイミングでの見直し、複数社比較といったステップを踏むことで、無理なく保険料を適正化できます。ご事情によって最適なプランは異なりますので、まずは現状の走行距離を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。弊社では特定の保険会社に偏らない中立的な立場から、走行距離条件を含めた保険の見直しをご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

