医療ミス、患者トラブル、SNSでの情報漏洩…。
どれだけ気をつけていても、看護師の仕事には“想定外”のリスクがつきものです。
「もし自分が訴えられたら…」そんな不安を感じたことはありませんか?
この記事では、常勤・派遣・訪問など働き方別に、看護師が安心して働くための保険の選び方をやさしく解説します。

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格
- 損害保険募集人資格
- 生命保険募集人資格
- 損害保険大学課程資格
- FP2級
保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%
はじめに:なぜ看護師に保険が必要なのか

これから「看護師に保険が必要な理由」について解説します。
- 看護師を取り巻くリスクとは何か
- 医療ミスや訴訟、ヒヤリ・ハット事例の実態
それでは一つずつ解説していきます。
看護師を取り巻くリスクとは何か
医療事故や患者トラブルが起こる背景
現場では日々、患者さんの命に直結する判断や処置を求められるため、どれだけ注意していてもミスが起きるリスクはゼロではありません。
ヒューマンエラーは避けられないものであり、誰にでも起こり得ます。
看護師の業務は、医師の指示のもとでありながら、注射や投薬、体位交換など「直接的な処置」が多く、常にプレッシャーと隣り合わせ。
業務中の忙しさや情報共有ミス、患者さんや家族との認識のずれが重なると、思わぬ事故に繋がることもあります。
実際、公益社団法人 日本看護協会の調査(2022年)によると、全国の医療機関で年間約25万件以上のヒヤリ・ハット事例が報告されており、その大半が看護師によるものでした。
こうした背景があるからこそ、保険によるリスクマネジメントが重要視されているのです。
看護師が法的責任を問われるケースとは
看護師は医師の指示を受けて動く立場ですが、指示が不明確だったり、誤った判断をしてしまった場合、個人としての責任が問われることもあります。
患者の安全を脅かす行為や、インシデント後の対応によっては、損害賠償請求を受けたり、民事訴訟・刑事訴訟に発展することもあります。
特に在宅看護や訪問看護では、現場にひとりで対応する場面も多く、自分の判断に責任が伴います。
実際に、インスリンの過剰投与により患者が低血糖昏睡状態に陥ったとして、看護師個人に損害賠償が請求されたケースも報告されています。
こうした事態を想定した備えとして、保険加入の意義は非常に大きいのです。
SNSや個人情報管理など、現代ならではのリスク
近年では、SNS投稿やLINEのやり取りなどから、個人情報の漏洩やプライバシー侵害につながるトラブルも増えています。
悪意がなかったとしても、患者の情報が流出すれば信用問題になり、看護師自身が加害者扱いされる可能性も。
たとえば、患者さんとの会話や処置中の写真を軽い気持ちでアップした結果、個人が特定されてしまい、訴訟に発展したという事例もあります。
こうしたデジタル社会特有のリスクは、目に見えにくいぶん油断しがちですが、実は大きな損害に繋がる要素のひとつです。
医療ミスや訴訟、ヒヤリ・ハット事例の実態
判例に見る「看護師が訴えられた」リアル
看護師が訴えられたケースは決して他人事ではありません。
医療現場での事故の責任が、組織ではなく個人に向けられる判例も実際にあります。
2017年には、褥瘡(じょくそう)の悪化による損害賠償を巡って看護師個人が訴えられた裁判で、「注意義務を怠った」として高額な賠償が命じられた例がありました。
こうした現実を前にすると、看護師も自分の身を守る必要があるということがよく分かります。
ヒヤリ・ハットが損害賠償に繋がる可能性
ヒヤリとした経験、焦ったことのある処置――そんな出来事が、時に損害賠償や信用失墜に繋がることもあります。
医療ミスは一瞬で起こり、その責任をすべて個人が背負わなければならない可能性も。
一部の施設では、ヒヤリ・ハットを報告しても「対応なし」や「放置」されるケースがあるという実態も報告されており、組織の体制に依存できない現場も存在します。
予防と備えの両面から、自分を守る保険という手段を持つことがリスク回避に繋がります。
組織が守ってくれないケースもあるという現実
多くの看護師は「病院や施設が守ってくれる」と思いがちですが、実際には施設側が責任を回避し、個人に損害請求が来るケースもあります。
とくに契約社員や派遣、パート看護師など雇用形態が多様化する中で、正社員と同じようなサポートが得られないことも。
訴訟リスクが現実となった時、最後に自分を守るのは“自分で備えていたかどうか”です。
保険に入っていれば、損害賠償の一部負担や、弁護士相談費用などの支援を受けられる可能性があります。
看護師向け保険の種類と特徴

これから「看護師向け保険にはどんな種類があるのか」について解説します。
- 日本看護協会の保険とは?
- 民間で人気のナース専科の保険
- フリーランスや訪問看護向けの民間プラン
それでは順番に見ていきましょう。
ナース専科の賠償責任保険(民間)
個人で加入できる看護師向け保険とは
ナース専科が提供する保険は、看護師なら誰でも個人で加入できる点が魅力です。
協会への所属が不要で、オンラインから簡単に申し込みが可能です。
この保険は、勤務先に関係なく「自分自身を守る」ことを重視しているため、派遣やパートの方にも人気があります。
特にフリーランスや訪問看護師にとっては、自由に選べる安心の一手になります。
万一の事故時のサポート内容
補償内容は手厚く、以下のようなサポートが用意されています。
- 損害賠償責任:最大1億円
- 弁護士費用補償
- 事故発生時の相談サポート
事故が起きた際には、専用窓口に相談することで対応方針を一緒に考えてくれたり、必要に応じて示談交渉も代行してくれます。
他社との違いや人気の理由
人気の理由は、加入手続きの簡便さと、価格と補償のバランスです。
年間保険料は4,000円台からスタートし、補償内容に応じてプランを選べます。
また、看護師向けの情報メディアとして知られる「ナース専科」が運営していることで、看護師の声を反映した設計になっている点も安心材料のひとつです。
Willnext(ウィルネクスト)などの民間保険
フリーランスや訪問看護師に特化した補償
Willnextは、看護師を含む医療・介護従事者向けの専門保険を提供しており、特にフリーランスや個人事業主向けの補償が充実しています。
訪問先でのトラブルや、独自判断が求められる場面に備えて、広範囲な補償が設計されています。
弁護士費用・感染症見舞金などのオプション
基本補償に加え、以下のようなオプションが選べるのも特徴です。
- 感染症見舞金制度(新型コロナ含む)
- 弁護士費用特約
- 自己負担額0円プラン
こうした特約を付けることで、より実務に合ったリスク対策が可能になります。
小規模事業所向けの団体加入制度も
個人向けだけでなく、数名規模の事業所でも加入できる「ミニ団体保険制度」もあります。
これにより、小規模の訪問看護ステーションや、開業看護師グループにも適したコストと補償の設計が実現されているのです。
こうした柔軟な制度設計により、Willnextは個人・法人問わず注目を集めています。
保険料はいくら?コスト比較まとめ

これから「看護師向け保険の費用とコスト比較」について解説します。
- 協会系と民間保険の料金の違い
- 補償と価格のバランス
- コストを抑えるコツ
それでは順番に見ていきましょう。
公的協会系の掛金・年会費の相場
日本看護協会保険の年額と補償のバランス
日本看護協会の保険は、年額3,500円前後という低価格ながら、最大1億円の補償が受けられる点が魅力です。
協会員であれば誰でも加入可能で、保険の更新や手続きもシンプル。
費用対効果が非常に高いプランといえます。
現場でのヒヤリ・ハットや患者とのトラブルは日常茶飯事。
そんなとき、負担が少なく補償の厚い保険があることで安心感が得られます。
他の協会系保険との違い(准看護師・助産師含む)
都道府県の看護協会などが提供する保険もありますが、補償の上限や費用面で差があります。
また、准看護師や助産師などの職種に応じて加入条件が異なることもあるため、事前の確認が重要です。
費用面では年間4,000円〜6,000円程度が相場になります。
看護協会の公式サイトなどで資料請求して比較検討すると、自分に合ったプランが見つけやすくなります。
民間保険の月額・年間費の違い
自由度は高いがコストは割高?
民間の保険は、月額500〜1,000円台から加入可能で、年間にすると6,000〜12,000円程度が一般的な価格帯です。
補償内容が充実していたり、特約がついていたりする反面、協会系に比べてやや割高な印象を持たれるかもしれません。
ただし、フリーランスや訪問看護など、自分でリスク管理をする必要のある立場の方には適しており、選択の幅が広がります。
加入年齢や勤務形態で変わる保険料
一部の保険では、年齢や勤務形態(常勤・非常勤)によって保険料が変動します。
若い世代や常勤勤務者は保険料が安く設定されている傾向があります。
そのため、加入時には「今の自分の働き方」に合わせた料金設計になっているか、確認することが大切です。
トータルコストを抑えるには?
団体加入と割引制度の活用法
職場やグループで団体契約することで、保険料が割引になる制度を提供している保険会社もあります。
複数人での申し込みによって、1人あたりの負担が軽くなります。
特に訪問看護ステーションや小規模チームで働く看護師にとっては、コストを抑える有効な手段となります。
複数保険の重複を避けるチェックポイント
意外と見落としがちなのが、職場が団体保険に加入しているのに個人でも保険に入っていて、補償が重複しているケースです。
「どこまでカバーされているのか」「万一のときに個人が対象になるのか」を事前に確認しておくことで、不要な支出を避けられます。
保険選びは「費用」だけでなく「補償内容」とのバランスを見ることが大切です。
少し高くても万が一の安心が得られるなら、それは“投資”とも言えるかもしれません。
補償内容の比較ポイント

これから「看護師向け保険の補償内容の違いと注目ポイント」について解説します。
- 基本となる補償内容の違い
- 感染症や弁護士費用などオプション補償
- 示談や相談対応など、サポート体制
それでは順番に見ていきましょう。
対人・対物・人格権など主要補償の違い
訴えられた時に何がカバーされる?
どの保険にも共通して含まれる基本補償は「対人」「対物」「人格権侵害」に関する損害賠償責任です。
たとえば、患者さんへの処置ミスによって後遺症が残った場合や、施設内で器具を壊してしまった場合などが該当します。
人格権侵害については、患者さんとのトラブルで名誉を傷つけたなどのケースが想定されます。
民間・協会系問わず、1事故あたり最大1億円まで補償されるプランが多く見られます。
通院費・治療費・示談金の範囲に注意
保険によっては、損害賠償だけでなく患者の治療費や通院費の補償も対象になる場合があります。
ただし、これはプランにより範囲や条件が異なるため注意が必要です。
さらに、示談金や慰謝料もカバーするかどうかは保険ごとに大きく違います。
契約時には「どこまでの支払いが含まれているのか」をしっかり確認しましょう。
感染症罹患時の見舞金・弁護士サポート等のオプション
コロナ禍以降、重要視される補償とは
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、感染症に罹患した際の「休業補償」や「見舞金」が注目されるようになりました。
Willnextなどの一部民間保険では、感染症罹患時に一時金が支払われる特約があり、特に訪問看護師など不特定多数と接する業務の方には人気です。
こうした補償は、病気で働けない期間の金銭的な不安を減らしてくれます。
法的トラブルへの備えは万全?
弁護士費用を補償する特約も、医療職にとっては重要です。訴訟リスクがある職種である以上、万が一の備えとして心強い存在になります。
相談窓口が24時間対応していたり、初期相談を無料で受けられる保険もあります。
訴訟の有無にかかわらず「相談しやすさ」もチェックしておきたいポイントです。
示談代行や相談窓口の有無
トラブル発生時の対応力で保険を選ぶ
事故やクレームが発生した際、本人がすべて対応するのは精神的にも大きな負担になります。
そんなとき、保険会社が示談交渉を代行してくれるプランは非常に助かります。
民間の多くの保険では、専任スタッフや提携弁護士が介入し、円滑に問題解決に向かう支援体制が整っています。
24時間相談窓口があるかチェックしよう
夜勤明けやトラブル発生時は、すぐに誰かに相談したくなることもあります。
そんなとき、24時間対応の電話窓口やチャットサポートがあると安心です。
特に勤務形態が不規則な看護師にとって、時間を選ばず相談できる仕組みは心の支えになります。
補償内容は「万が一」の時にこそ真価を発揮するもの。
保険選びでは、金額だけでなく「どんなときに、どこまで助けてくれるか」をしっかり見極めることが大切です。
スタイル別「こう選ぶべき」ガイド

これから「看護師の働き方別におすすめの保険の選び方」について解説します。
- 常勤看護師に向いている保険
- 派遣・アルバイト看護師の注意点
- フリーランスや訪問看護師が選ぶべき保険
それでは順番に見ていきましょう。
常勤・病院勤務の看護師の場合
勤務先が団体保険に加入しているかの確認
まず確認すべきは、現在の勤務先がすでに団体保険に加入しているかどうかです。
多くの大規模病院や医療法人では、看護師全体を対象に団体で損害賠償保険に加入しているケースがあります。
この場合、個人で保険に入らなくても基本的な補償は受けられます。
ただし、対象範囲や補償額には限りがあるため、念のため勤務先の担当部署に内容を確認しておきましょう。
個人でも入っておくべき理由とは?
勤務先の保険だけではカバーしきれない範囲(プライベートなトラブルや副業活動など)について、自分自身で備えておくとより安心です。
たとえば、職場外で起こした医療行為やボランティア活動中の事故などは、勤務先の保険では補償されない可能性もあります。
個人での加入は「念のため」の備えとして、多くの常勤看護師も選んでいます。
派遣・アルバイト看護師のための選び方
勤務先の補償は「使えない」ことも
派遣看護師やアルバイトの場合、勤務先の保険が「正社員のみ対象」となっていることもあります。
また、業務委託契約など雇用形態によっては、そもそも補償対象外となる可能性も。
つまり、働いているのに保険に守られていない、という状況が起こりうるのです。
派遣会社との契約内容を見直すポイント
まずは派遣会社や人材紹介会社との契約書に「保険の有無」「事故時の補償責任」などの記載があるか確認してみてください。
記載がなければ、自分自身で保険を手配する必要があります。ナース専科などの民間保険は、個人契約でも入りやすくおすすめです。
フリーランス/訪問看護師の注意点
自己責任の範囲が圧倒的に広がる理由
フリーランスや訪問看護師は、基本的に「自分の判断と責任」で動く場面が多くなります。
患者宅での処置や判断ミスが重大なトラブルに繋がることもあり、訴訟のリスクは決して低くありません。
誰かに守られる前提がないからこそ、保険による自己防衛が必須です。
小規模チームでの保険活用法
一人で活動している場合はもちろん、数名のチームで訪問看護をしている場合も、団体加入や小規模事業所向けの保険を活用することで、費用と補償のバランスがとりやすくなります。
Willnextのように、訪問看護専門のプランを用意している保険会社もあるため、活動スタイルに合った補償設計を選ぶと安心です。
働き方によってリスクの内容も、求める保険の種類も変わってきます。「今の自分の働き方にぴったり合うかどうか?」を軸に選ぶことが、納得のいく保険選びにつながります。
加入手続きと申請・給付までの流れ

これから「保険の加入から給付を受けるまでの手続きの流れ」について解説します。
保険への申し込み方法と必要書類
トラブル発生後の対応と保険金請求の手順
更新や解約時に注意すべきポイント
それでは順番に見ていきましょう。
各保険の加入方法(web・電話・郵送など)
加入に必要な書類と手順の違い
多くの看護師向け保険では、オンラインで手続きが完結できるようになっています。
公式サイトにアクセスし、必要事項を入力するだけで申し込み可能です。
申し込み時に必要なのは、以下の情報が一般的です。
- 氏名・生年月日・連絡先
- 職種(正看護師/准看護師など)
- 勤務形態(常勤/非常勤など)
日本看護協会の保険の場合は、会員番号が必要になるため、事前に確認しておくとスムーズです。
加入完了までにかかる期間は?
民間保険では、申し込み後すぐに加入完了するケースが多いですが、保険開始日が「翌月1日から」など指定されることもあります。
一方、協会系保険では年に1回の募集期間がある場合もあるため、タイミングに注意が必要です。
加入を検討している方は、スケジュールに余裕を持って行動しましょう。
保険金請求の流れと対応のコツ
トラブル発生時の記録と報告がカギ
万が一トラブルが発生した際には、できるだけ速やかに保険会社へ連絡することが重要です。
その際、以下の情報をまとめておくとスムーズに対応してもらえます。
- 発生日・発生場所・関係者の情報
- 起こった出来事の詳細(時系列で)
- 患者とのやり取りの内容(あれば録音・記録)
現場対応の直後は焦ってしまいがちですが、客観的な事実をしっかり残すことが、保険金請求を通すうえでも大切なポイントです。
請求時に「やってはいけないこと」
自己判断で「この程度なら請求しなくていいだろう」と対応を見送ったり、後から内容を変えたりすると、信頼性に影響が出て保険金が支払われないケースもあります。
また、病院側と先に話をまとめようとせず、まずは保険会社に相談することが望ましいです。
示談や謝罪が先行すると、保険適用が難しくなる場合があります。
更新・解約・補償開始・終了タイミング
解約忘れで保険料だけ支払うリスク
自動更新タイプの保険は、解約手続きをしない限り継続して保険料が引き落とされます。
転職や退会などで必要がなくなった場合は、必ず解約手続きを行いましょう。
解約手続きは、Web・電話・書類郵送など複数の方法が用意されている場合が多いので、自分に合った方法を選んで対応を忘れないようにすることが大切です。
補償が始まるタイミングは重要
加入手続きをしても、補償が始まるのは「翌月1日から」など、日付が指定されていることがあります。
加入したその日から補償が受けられるわけではないため、勤務開始日や不安がある時期に間に合うよう、計画的に申し込むことが必要です。
保険は「いざというときにちゃんと使えるか」が重要です。
加入のしやすさだけでなく、請求や更新の流れまでをしっかり理解しておくことで、安心感がグッと増します。
看護師が保険で守られる具体的事例

これから「看護師が実際に保険で救われた事例や、加入していなかったことで困った事例」について解説します。
- 判例や事故事例の紹介
- ヒヤリ・ハット経験から学ぶこと
- 実際に保険に助けられたリアルな声
それでは順番に見ていきましょう。
判例紹介:薬剤誤投与や誤嚥などの事例
実際に起こった医療ミスの判例
ある看護師が、医師の指示を確認せずに薬剤を投与し、その後患者が重篤な副作用を起こしたというケースがありました。
この事故は民事裁判に発展し、看護師個人に約200万円の損害賠償が命じられました。
勤務先の保険では対応しきれず、個人負担になったとのこと。
こうした事例は、専門誌や協会の報告書にも実際に記録されています。
補償が適用されたケースとその結果
一方、訪問看護の現場で利用者の転倒事故が発生した際、事前に個人で加入していた民間の看護師賠償責任保険が適用され、示談金と弁護士費用のすべてがカバーされたケースもあります。
この方は「保険に入っていたからこそ、精神的にも金銭的にも追い詰められずに済んだ」と話していました。
ヒヤリ・ハット経験から学ぶリスク
「大丈夫だろう」が招く悲劇
医療現場では「慣れ」や「このくらい大丈夫」という気のゆるみが思わぬ事故を招きます。
患者の点滴ルートを確認せず接続し、別の薬剤が混入して体調悪化を招いたという事例もあります。
結果的に大事には至らなかったものの、家族とのトラブルに発展し、保険会社を通じて対応したという報告があります。
組織に守られない場合の心構え
施設側がトラブルの責任を個人に押し付けることは、決して珍しくありません。
特にパート勤務や委託業務など、雇用関係が曖昧な場合には注意が必要です。
万一の事態に備え、「自分の身は自分で守る」という意識が、リスク対策の第一歩です。
保険加入で救われた実話
「保険に入っていてよかった」看護師の声
患者さんが突然転倒し、頭部を強く打った事例では、本人の過失が疑われる場面もありましたが、加入していた保険の示談代行サービスによりスムーズに対応が進みました。
「謝罪や交渉まで一人で背負っていたら精神的に潰れていたと思う」という声は、加入者ならではのリアルな実感です。
加入していなかったことで自己負担した例
一方で、「お金がもったいないから」と保険を見送っていた看護師が、退職後にフリーランスで活動していた際、訪問先での転倒事故に巻き込まれ、約80万円を自己負担したという話もあります。
「数千円の保険料をケチって、大きな金額を払うことになるとは思わなかった」という後悔の言葉が印象的でした。
保険は“使わないこと”が理想かもしれませんが、“使える備え”があることが、働く上での安心感につながります。
現場の声から学ぶことで、自分にとっての必要性を改めて見直すきっかけになります。
まとめ:あなたにぴったりの保険はこれ
これまでの内容をふまえて「結局、どの保険をどう選べばいいのか?」という視点でまとめていきます。
- 自分に合った保険の選び
- 補償・費用・サポートのバランスの見極め方
- 最後に迷ったら相談すべき場所
それでは順番に見ていきましょう。
自分に合った“お守り”としての選び方
どの保険が一番いいかは、「今のあなたの働き方」や「どこに不安を感じているか」によって変わってきます。
- 常勤で大きな病院に勤めているなら → 勤務先の団体保険+最低限の個人保険
- 派遣・非常勤で働いているなら → ナース専科など個人加入がしやすい保険
- 訪問看護・フリーランスなら → Willnextなど特化型保険+弁護士費用特約
これらの選び方は「どこで事故が起きたときに誰が守ってくれるか?」を基準にすると明確になります。
費用・補償・サポートのバランス
保険は“安ければいい”というものではなく、“いざというときに頼れるかどうか”が重要です。
とはいえ、月額にして1,000円未満で安心を得られるなら、決して高くはありません。
以下のバランスを意識して選びましょう。
比較項目 | 協会系保険(例:看護協会) | 民間保険(例:A社・B社など) |
---|---|---|
年間費用 | 約3,000~4,000円 | 約5,000~12,000円 |
補償額 | 最大1億円 | 最大1億円+特約(入院費・弁護士費用など) |
相談・交渉対応 | 限定的(電話相談など) | 24時間対応・示談代行あり |
「費用だけ安くて補償が弱い」より、「少し高くても安心して働ける」保険の方が長い目で見ると価値が高くなります。
迷ったら相談!おすすめの問い合わせ先

どうしても決めきれないときは、プロの意見を聞くのが早道です。
- 日本看護協会:各都道府県に相談窓口あり
- ナース専科:サイト内で保険に関するQ&Aや無料チャット対応あり
- Willnextなど民間保険会社:フリーダイヤルやオンライン面談が可能
また、職場に保険担当がいる場合は「今うちがどこまで補償してくれてるのか?」を聞いてみるだけでもヒントになります。
保険は、何かあったときの“安心”を買うものです。
どんな働き方をしていても、備えがあるだけで気持ちにゆとりが持てます。
あなたに合った保険を見つけて、安心して看護の現場で活躍していきましょう。
保険や資産運用について気軽に相談したい方、見積もりを試してみたい方は、どんな小さな疑問でも大歓迎です。
お気軽に下記からご連絡くださいね。
看護師として働き方に応じた保険の備えはもはや自己防衛の一つと言えるでしょう。
しかし、そもそも「今の働き方で本当にいいのか」と感じたことはありませんか?
実は、保険の備えだけでなく、働き方そのものを見直すことで、リスクを減らしながら“自分らしく働く”選択肢もあるのです。
そんな新しい働き方の一つが、自由と収入を両立できる「バケーションナース」。
気になる方は、まずはこちらをご覧ください。
Q1:職場の団体保険があるなら、個人で保険に入る必要はないんですか?
A:職場の保険が“何をどこまで補償しているか”を確認するのが大切です。
団体保険があっても、「個人が訴えられた場合は対象外」「副業や訪問看護の業務は含まれない」ことも。特に派遣・パート・委託契約の方は、職場の保険対象になっていない場合があるため、個人加入が安心です。
Q2:看護師保険ってどれくらいの費用がかかるんですか?
A:年間3,000〜12,000円程度で、選ぶ保険によって異なります。
たとえば日本看護協会の保険は年間約3,500円と手頃で、最大1億円の補償が受けられます。民間保険は5,000円〜12,000円が相場で、弁護士費用や感染症見舞金などオプションが充実しているのが特徴です。
Q3:実際に保険で助けられた人っているんですか?
A:はい。訪問看護中の事故で保険が示談交渉まで対応してくれたケースもあります。
「もし保険に入ってなかったら、全額自己負担になっていたかも」と話す看護師もいます。逆に、保険未加入で80万円の自己負担をした例もあるため、トラブルに遭う前の備えが本当に大切です。
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