事務所や店舗または工場などを構える法人様にとって必要不可欠保険が火災保険です。
しかし、法人で加入する火災保険は、個人の火災保険とは違い、どのような補償をつければいいのか良くわからないという方が少なくありません。
そこで、こちらの記事では、法人向けの火災保険の種類や特徴についてご紹介します。
- 法人で加入する火災保険のことを知りたい人
- 法人の火災保険の見直しをしたい人
- 法人の火災保険の満期が近づいている人
法人が加入する火災保険とは

法人が店舗や事務車のために加入する火災保険は個人が加入する火災保険とは違う部分があります。
- 補償内容
- 特約
上記のような部分が違ってきます。
法人の場合は火災が発生した際には、個人の住宅よりも多額な損害が発生する可能性があるため、多額の損害につながる火災が起こった際にも対処できる補償内容になっているかを確認するのが重要となります。
法人が加入する火災保険の種類とは

法人が加入する火災保険の種類とは、下記のような種類があります。
- 自社の所有物件にかける火災保険
- 賃貸物件にかける火災保険
- 地震保険
- 動産にかける動産保険
このような種類の保険があります。
それでは一つづつ解説します。
自社の所有物件にかける火災保険
自社の所有物件に火災保険をかける際には、事業者が所有する建物や機械、設備など補償の範囲をどこまでにするのかを慎重に検討する必要があります。
また、火災保険の補償対象とならないものもあるので注意が必要です。
【法人の火災保険で補償対象となる物件】
建物 | 土地に定着し、屋根および柱もしくは壁を有している物件 |
設備・什器 | 設備・什器・装置・機械・器具・工具・備品 |
屋外設備 | 建物の外部にあって地面などに固定されている設備、装置、機械など |
商品・製品など | 商品、原料、材料、仕掛品、半製品、製品、副産物または副資材 |
【法人の火災保険で補償対象とならないもの】
一方法人の火災保険で対象にならないものには下記のようなものがあります。
- 動車、船舶、航空機、人工衛星、ロケットなど
- 通貨、預貯金書
- 稿本、設計書、図案、証書、帳簿、データ、ソフトウェア類など
- 桟橋、護岸、海上に所在する設備
- 動物、植物など
このようなものは法人の火災保険の補償対象外になりますので注意が必要です。
賃貸物件にかける火災保険
自社で事務所や店舗の用途として賃貸している物件にかける火災保険は、所有物件の火災保険とは補償内容が変わってきます。
賃貸住宅にかける火災保険の補償内容は下記のようになります。
- 財物の補償
- 費用の補償
- 賠償責任の補償
では、一つずつ解説します。
財物の補償
賃貸物件の火災保険の補償の対象となる「財物」は下記の通りです。
- 設備・什器
- 商品・製品
万が一の火災の時には、上記の財物が被害を受けると多額の費用が必要となります。
また火災の際には直接被害がなくても、消化活動によって商品や製品が使用できない状態になる可能性もあります。
そのため、財物の補償はしっかりと保険金額を考慮して設定する必要があるのです。
費用の補償
万が一の火災の時には、財物の損壊による直接的な損害のみではなく、さまざまな費用が発生します。その費用を補償するための補償内容が「費用の補償」です。
費用の補償には下記のような補償があります。
- 災害見舞費用
- 仮事務所手配費用
- 修理費用
- 失火見舞費用
- 残存取片付費用
- 損害防止費用
保険会社によって異なりますが、一般的な費用の補償は上記のようになります。
どのような費用の補償が必要かわからない方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
賠償責任の補償
賃貸物件の火災保険で必要となる補償は「財物」「費用」だけでは不十分で「賠償責任」の補償も必要となります。
賃貸物件の火災保険に必要となる賠償責任は下記の2つです。
- 施設賠償責任補償
- 借家人賠償責任
こちらの賠償責任の補償の金額を適切につけることが重要になります。
適切な保険金額の設定などご不明な点がございましたら、弊社の専門スタッフがご相談にのります。
建物や設備などの地震リスクに備える地震保険

法人が所有する物件や設備には個人の方が加入する地震保険に加入することはできません。
そのために、法人の物件には専用の地震保険商品に加入する必要があります。
法人が加入できる地震保険は「地震危険補償特約(地震拡張担保特約)」と呼ばれてる保険商品です。
地震危険補償特約(地震拡張担保特約)をつけることによって下記のような損害に対して補償がつきます。
地震火災 | 地震が原因となる火災 |
地震損壊 | 地震による建物、収容動産の破損 |
地震埋没 | 地震による土地の液状化により発生した損害 |
地震破裂 | 地震による破裂で火災以外の損害 |
地震爆発 | 地震による爆発で火災以外の損害 |
地震水災 | 地震による津波、河川の氾濫などの損害 |
動産にかける保険
法人が加入する火災保険は、建物、設備・什器だけではなく、動産も検討する必要があります。
法人の火災保険でいう動産とは、下記のような物をいいます。
- 不動産以外の財産
- 火災保険や自動車保険で補償できないもの
具体的には、
- 机、椅子、パソコン、プリンター等の事務機器や什器(「法人用特定動産契約」)
- 商品、在庫品、展示品(「商品・在庫品契約」、「展示品契約」)
- 現金、小切手、手形(「現金・有価証券契約」)
- ヨットやモーターボート(「ヨット・モーターボート総合保険」)
上記のような財産が動産と定義されています。
また、補償対象とならないものは下記になります。
- 自動車
- 船舶
- 航空機
- プラント一式
- 不動産に準ずる物件(橋梁、塔類、エスカレーター、エレベーター、ガスタンク等)
動産保険の補償内容
動産保険の補償内容は下記の通りです。
- 火災、水災、爆発、破裂
- 落雷、風災、雹災、雪災
- 盗難
- 破損
- 輸送している車両などの事故
- 労働争議に伴う暴行
- 水濡れ
- 建物や橋梁の崩壊
- 従業員の誤操作等
また火災保険との大きな違いは、動産が下記の状態にある時にも補償されるという部分です。
- 保管中の損害
- 運送中の損害
- 展示中の損害
法人火災保険の選び方【注意点を解説】

法人が火災保険を選ぶ際には下記の点に注意してください。
- 保険対象の評価額が適切になっているかを注意する
- 保険の対象に漏れや重複がないかを確認する
- 屋外の設備に補償漏れがないかを確認する
- 他の契約と補償が重複していないかを確認する
- 年間の保険料を確認する
このようなポイントに注意してください。