法人保険は飲食業こそ必須?事故と倒産を防ぐ選び方を保険のプロが解説

法人保険は飲食業こそ必須?事故と倒産を防ぐ選び方を保険のプロが解説

飲食店の保険って、種類が多すぎて結局よく分からないまま加入してしまいがちです。

けれど飲食業は、食中毒や店内事故の賠償に加えて、火災・水濡れで設備が止まると売上も止まり、固定費だけが残ります。

この記事では、賠償・財物・休業・人の4つに分けて、まず何を優先すべきかを整理し、補償額の決め方と見直しの手順までまとめます。

この記事を3行で解説
  • 飲食業の法人保険は、賠償・財物・休業・人に分けると迷いません。
  • 最初は財物と賠償、次に休業、最後に経営者保障を段階設計します。
  • 補償額は固定費から逆算し、支払い条件と対象外を先に確認します。
記事の筆者
保険アドバイザー

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格

  • 損害保険募集人資格
  • 生命保険募集人資格
  • 損害保険大学課程資格
  • FP2級

保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%

飲食業が法人保険を考えるべき理由

これから飲食業が法人保険を考えるべき理由について解説します。

  • 飲食店は小さな事故が大きな出費になりやすい
  • 倒産・休廃業の増加で資金繰りの耐性が重要になっている

飲食店は小さな事故が大きな出費になりやすい

飲食店の保険は、起きたら困る事故に備えるものというより、起きがちな事故で資金繰りを崩さないための道具です。

理由は単純で、飲食店の事故は賠償だけで終わらず、休業・評判・廃棄・再発防止費用まで連鎖しやすいからです。

食中毒は典型で、統計でも発生の一定割合が飲食店で起きています。

ある個人店を想像してください。

週末の繁忙日に体調不良の申告が出て、念のため保健所に連絡し、営業を止める判断になりました。

冷蔵庫の食材は廃棄、スタッフはシフト調整、予約のキャンセル対応に追われます。

お客さまへの補償やお詫びだけでなく、再開までの固定費も残ります。

ここで備えが薄いと、黒字でも一気に資金がショートします。

だからこそ飲食業の法人保険は、事故の連鎖で現金が消える流れを止める目的で考えるのが合っています。

倒産・休廃業の増加で資金繰りの耐性が重要になっている

飲食店は今、売上を上げる努力だけでは守り切れない局面に入っています。

倒産件数が増えており、特に小規模の倒産が多いというデータも出ています。

理由は、固定費の重さです。

家賃、人件費、水道光熱費、リース料は、売上が落ちてもゼロになりません。

短期の事故や営業停止でも、現金が先に尽きます。

たとえば、厨房の水濡れで機器が止まり、復旧に数週間かかるケースです。

売上が止まるのに、家賃と給与は止まりません。

資金に余裕がある店でも、想定外が重なると一気に苦しくなります。

飲食業の保険設計は、最悪の1回を耐えるより、よくある1回を耐える設計に寄せた方が実務で効きます。

飲食店のリスクを保険で整理する(賠償・財物・休業・人)

これから飲食店のリスクを保険で整理する方法について解説します。

  • 賠償(食中毒・異物混入・店内事故)
  • 財物(火災・水濡れ・盗難・設備故障)
  • 休業(営業停止・復旧期間の売上減)
  • 人(従業員のケガ・経営者の就業不能)

賠償(食中毒・異物混入・店内事故)

飲食店は賠償の地雷が多い業種です。

食中毒・異物混入・店内での転倒や火傷など、店側の責任を問われやすい事故が揃っています。

理由は、提供した商品と施設の両方に責任が発生しうるからです。

料理が原因なら生産物賠償(PL)、店内の床や設備が原因なら施設賠償、という形で論点が分かれます。

保険も分けて考えると抜け漏れが減ります。

ある日、混雑で床が濡れていたのに気づくのが遅れ、お客さまが転倒してしまった。

別の日には、仕込みの温度管理が崩れ、体調不良の連絡が入った。

こうした現場のヒヤリは、忙しい店ほど起きやすいです。

保険は、この忙しさの副作用を吸収する役割です。

財物(火災・水濡れ・盗難・設備故障)

飲食店は火と水と油を扱うので、財物の事故が起きやすいです。

火災だけでなく、給排水の水濡れ、盗難、外部からの衝突、偶然の破損も現実的です。

理由は、設備が止まると売上が止まるからです。

厨房機器、冷蔵冷凍、空調、電気系統は、店の心臓です。

財物補償は、店そのものを守るというより、営業の土台を守ります。

深夜に漏水が起きて、床材と厨房機器がダメになった。

盗難でレジ周りが荒らされ、修繕と防犯強化が必要になった。

こういう事故は派手ではないのに、まとまった出費になります。

店舗総合のように幅広く拾える設計が合う場面があります。

休業(営業停止・復旧期間の売上減)

飲食店は、休業のダメージが思った以上に効きます。

休業中も固定費が出ていくからです。

理由は、売上がゼロでも家賃や人件費はゼロになりにくいからです。

店舗休業保険は、火災などの事故で営業できない期間の損失を補償する考え方が中心で、支払い条件が限定されることもあるため、対象事故の範囲確認が重要です。

食中毒で営業停止処分が出た。

火災ではないのに店が開けられない。

このとき、契約によっては休業補償の対象に入るケースがあります。

逆に、入ると思い込んでいたら対象外だった、というズレも起きます。

ここは設計段階で詰めるべきポイントです。

人(従業員のケガ・経営者の就業不能)

人のリスクは、従業員と経営者で分けて考えるのが現実的です。

飲食は立ち仕事・刃物・熱源でケガの可能性があり、経営者が倒れると意思決定が止まります。

経営者向け保障では就業不能や事業継続の枠組みが提示されることが多いです。

理由は、店の規模が小さいほど経営者依存が強いからです。

仕入れ、採用、資金繰り、メニュー、クレーム対応まで、経営者が担っている店ほど影響が大きくなります。

現場でぎっくり腰になり、数週間立てない。

手術で数か月休む。

こうなると、売上が落ちるだけでなく、スタッフの不安が増え、離職につながることもあります。

人の保障は、生活を守るだけでなく、店の空気を守る面もあります。

最低限そろえたい法人保険(飲食業の基本セット)

これから飲食業で最低限そろえたい法人保険について解説します。

  • 店舗の財物を守る(火災・店舗総合)
  • 賠償を固める(施設賠償・生産物賠償)
  • 休業補償で固定費を止めない
  • 従業員と経営者の保障を分ける

まずは店舗の財物を守る(火災・店舗総合の考え方)

飲食店の基本セットの最初は、店舗と設備の財物補償です。

火災だけでなく水濡れや盗難など、現実に起きる事故を広く拾えるかを見ます。

店舗総合では、補償対象が保険会社や商品で異なるため、対象範囲の確認が前提になります。

理由は、財物事故は一度でまとまった現金が出るからです。

内装、厨房機器、冷蔵冷凍、什器は、修理・買い替えで大きな金額になりやすいです。

開店前の漏水で床が浮き、冷蔵庫の基盤が故障し、数十万円単位の出費が続く。

保険があると、資金繰りを崩さず復旧の判断ができます。

次に賠償を固める(施設賠償・生産物賠償)

次に優先するのは賠償です。

飲食店は食中毒や異物混入など、提供物由来の事故に備える保険が繰り返し推奨されています。

理由は、賠償は相手がいるお金だからです。

トラブル時に交渉・補償が遅れるほど炎上しやすいです。

賠償金だけでなく、弁護士費用などの費用面まで補償される設計が紹介されることもあります。

異物混入で歯が欠けた、転倒してスマホが壊れた、体調不良の連絡が相次いだ。

店側に非が小さく見えても、対応コストは確実に出ます。

ここを保険で受け止められると、店は正常運転に戻りやすいです。

この章から内部リンク:賠償責任保険

休業補償で固定費を止めない

基本セットの三つ目は休業です。

店舗休業保険の説明では、休業中も家賃や給与など固定費が出る点が強調されています。

理由は、飲食店の倒産は利益の薄さよりも、現金の尽き方が速いことにあります。

事故が起きたとき、店が閉まる期間を短くする努力は当然必要ですが、短くできない事故もあります。

火災、漏水、設備故障、営業停止。

こうした場面で、固定費の支払いを支える枠があると、慌てた借入や無理な値引きに走りにくくなります。

従業員と経営者の保障を分けて考える

従業員は労災・業務災害、経営者は就業不能や事業継続、というように役割で分けると整理が簡単です。

経営者向け保障では、死亡・就業不能・事業継続・役員賠償などの枠組みが示されています。

理由は、同じ事故でも影響が違うからです。

従業員のケガは代替要員と補償の話になり、経営者の不在は意思決定と資金繰りの話になります。

店主が入院し、メニュー改定も採用も止まってしまう。

現場は回っているのに、店の未来が止まる。

こういう事態の備えが、飲食業では後回しにされがちです。

売上が立っているうちに仕組みにしておくと安心です。

この章から内部リンク:業務災害保険
この章から内部リンク:経営者の保険

事故別に選ぶ特約と補償の考え方

これから事故別に選ぶ特約と補償の考え方について解説します。

  • 食中毒が出たときに必要になるお金の内訳
  • 厨房火災・水濡れの復旧コスト
  • 情報漏えい(サイバー)

食中毒が出たときに必要になるお金の内訳

食中毒が起きたときに困るのは、賠償金だけではありません。

休業、廃棄、消毒、再発防止、告知対応など、店が立て直すための費用が同時に出ます。

飲食店に関する保険解説でも、食中毒リスクや飲食店での発生割合などが触れられています。

理由は、保健所対応や営業停止など、店側のコントロール外の要素が入るからです。

休業補償がどこまで出るか、賠償の対象範囲がどこまでか、ここが契約で差になります。

休業保険は支払い条件が限定され得る点も明示されています。

営業停止が出た瞬間、予約のキャンセル対応が始まり、スタッフにも事情説明が必要になります。

SNSで見たという電話が来ることもあります。

こういうときに、費用面の心配が薄いほど、対応の質が上がり、回復が早くなります。

厨房火災・水濡れの現実的な復旧コスト

厨房火災や水濡れは、内装と設備の両方にダメージが出やすいです。

店舗総合保険の補償対象として、火災・水害・水漏れ・盗難・破損などが整理されています。

理由は、飲食店の設備は専用性が高く、代替が効きにくいからです。

冷蔵庫一台が止まるだけで仕込みが崩れます。

ダクトやグリストラップなどは復旧に時間もかかります。

火災ではなくても、給排水のトラブルで床下が濡れて、内装工事が必要になる。

復旧中は時短営業になる。

こうしたケースは、財物+休業の組み合わせで備える発想が合います。

この章から内部リンク:財物の保険

キャッシュレス・予約台帳の情報漏えい(サイバー)

飲食店でもサイバーは無関係ではありません。

予約台帳、顧客連絡先、キャッシュレス端末、Wi-Fiなど、情報が店内にあります。

飲食業向け商品紹介でもサイバーリスク保険が挙げられています。

理由は、漏えいそのものより、対応コストが高いからです。

調査、連絡、再発防止、場合によっては賠償が発生します。

特に予約制・会員制の店ほど痛いです。

予約システムのアカウントが乗っ取られて、偽の案内が送られた。

端末の不正利用が疑われ、調査のために一時的にキャッシュレスを止めた。

こうしたトラブルは、売上機会も落とします。

必要に応じてサイバーも選択肢に入れてください。

保険料をムダにしない見直し手順(固定費化させない)

これから保険料をムダにしない見直し手順について解説します。

  • 補償額は固定費から逆算する
  • 免責・支払い条件・対象外を先に確認する

補償額の決め方は売上より固定費から逆算する

補償額は、売上規模より固定費を起点に置いた方が失敗が減ります。

休業中に払うものが分かれば、必要な日数と金額が見えます。

理由は、売上は季節で上下しますが、固定費は毎月ほぼ確定だからです。

見積りはシンプルで大丈夫です。

  • 家賃
  • 人件費(最低限残す分)
  • 水道光熱費の基本料
  • リース・借入返済
  • 仕入れの最低発注や違約金が出そうな契約

この合計が1か月いくらか分かれば、休業補償を何日分持てば安心か、現実的に決められます。

免責・支払い条件・対象外を先に確認する

保険の落とし穴は、入った安心感で確認を止めてしまうことです。

休業保険は支払い対象が限定されることがある、と明示されている資料もあります。

理由は、同じ名前の補償でも、支払い条件が商品で違うからです。

確認ポイントはここです。

  • 何が原因なら支払われるか(火災だけか、食中毒の営業停止も入るか等)
  • 免責金額(自己負担はいくらか)
  • 免責期間(何日目から支払われるか)
  • 什器・設備・現金など、対象物の範囲
  • 借家人賠償や原状回復の扱い

ここを押さえるだけで、よくある勘違いが一気に減ります。

よくある失敗パターンと回避策

これからよくある失敗パターンと回避策について解説します。

  • まとめて入ったのに肝心の事故が対象外だった
  • 退職金・事業保障を急ぎすぎて資金繰りを圧迫した

まとめて入ったのに肝心の事故が対象外だった

一番多いのは、包括型に入って安心したのに、実際の事故が対象外だったケースです。

理由は、包括型は便利な反面、店の実態に合うように特約や条件を詰めないと抜けが出るからです。

休業の対象事故、賠償の対象範囲、設備の対象、ここがズレやすいです。

実際に事故が起きて、約款を初めて読む。

そこで対象外に気づく。これが最悪です。

回避策はシンプルで、想定事故を3つに絞って先に照合します。

  • 食中毒で営業停止
  • 厨房の水濡れで設備停止
  • 店内で転倒事故

この3つがどう扱われるか確認すれば、大枠は外しません。

退職金・事業保障を急ぎすぎて資金繰りを圧迫した

もう一つの失敗は、経営者の退職金や事業保障を厚くしすぎて、毎月の支払いが重くなるパターンです。

理由は、飲食業は売上変動が大きく、固定費が増えると耐性が落ちるからです。

経営者向け保障は重要ですが、順番があります。

まずは店舗の財物・賠償・休業という守りの土台を作り、その上で経営者保障を積み上げた方が安定します。

売上が落ちる月が来たときに、保険料が一番のストレスになると、見直しが雑になり、結果として必要な保障まで削りがちです。

回避策は、段階設計にすることです。

  • まず基本セットを完成
  • 次に経営者保障を薄く始める
  • 1年回して利益と現金が残る店だけ厚くする

内部リンク集(関連記事への導線)

これから関連記事への内部リンク設計について解説します。

  • リスク別に深掘りしたい人向けリンク

リスク別に深掘りしたい人向けリンク

本文の流れを壊さず、読者が次に知りたい順で置くのがコツです。

  • 食中毒・店内事故など第三者への備えを深掘りしたい方へ
    • 内部リンク:賠償責任保険
  • 火災・水濡れ・盗難・設備損害を深掘りしたい方へ
    • 内部リンク:財物の保険
  • スタッフのケガや業務中事故の備えを深掘りしたい方へ
    • 内部リンク:業務災害保険
  • 配達・送迎・営業車を使う店舗オーナーの方へ
    • 内部リンク:自動車保険
  • 店主の就業不能、事業継続、退職金準備を深掘りしたい方へ
    • 内部リンク:経営者の保険

飲食業の法人保険: まとめ

飲食業の法人保険は、火災や水濡れなどの財物損害、食中毒・異物混入・転倒事故などの賠償、営業停止時の休業損失、従業員や経営者の人のリスクを分けて整理すると選びやすくなります。

倒産件数の増加もあり、よくある事故で資金繰りを崩さない設計が重要です。

補償額は売上より固定費から逆算し、免責・支払い条件・対象外を先に確認するとムダが減ります。

この記事のポイント
  • 飲食店は賠償+休業+再発防止費用が連鎖しやすい
  • まずは財物・賠償・休業の基本セットを固める
  • 休業保険は支払い条件が限定されることがあるため要確認
  • 補償額は固定費から逆算すると現実的
  • 内部リンクはリスク別に置くと読者が迷わない

飲食業の法人保険: よくある質問

飲食店はまず何の保険から入るのが現実的ですか?

優先順位は、財物(火災・水濡れ等)→賠償(施設賠償・生産物賠償)→休業の順がおすすめです。設備と賠償は一度で大きな出費になりやすく、休業は固定費を止められないためです。

食中毒が起きたら休業補償は必ず出ますか?

必ずではありません。店舗休業保険は、火災など特定原因に限定される場合や、特約でカバー範囲が変わる場合があります。約款や契約のしおりで、食中毒の営業停止が支払い対象か確認してください。

経営者の保険はいつ検討すべきですか?

基本セット(財物・賠償・休業)で店の土台を作った後が安全です。先に経営者保障を厚くすると固定費が増え、売上変動で苦しくなることがあります。段階的に増やす設計が向きます。

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