コインランドリー経営保険の必要性とリスクを解説

コインランドリー経営保険の必要性とリスクを解説のイメージ画像

コインランドリー経営に保険は必要かとお悩みの方へ、結論からお伝えします。コインランドリー経営において保険は原則として加入をご検討いただくことをおすすめします。無人・24時間稼働という業態は、火災や設備故障、盗難、来店者への賠償など、複数のリスクが同時に起こりやすいためです。本記事では、想定されるリスクの全体像から必要な保険の種類、保険料の相場感、保険金請求の流れまで、保険のプロの視点で解説します。

この記事を3行で解説
  • コインランドリー経営は無人・24時間稼働という業態特性上、複数のリスクが同時に発生しやすく、保険は経営リスクマネジメントの前提と言えます
  • 火災や設備破損、盗難に加え、来店者のケガなど賠償責任を問われるリスクも想定されるためです
  • まずは自店に想定されるリスクを洗い出し、複数物件をお持ちの場合はまとめての見直しもあわせてご検討ください
記事の筆者
保険アドバイザー

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格

  • 損害保険募集人資格
  • 生命保険募集人資格
  • 損害保険大学課程資格
  • FP2級

保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%

目次

コインランドリー経営に保険は必要?結論とその理由

無人のコインランドリー店舗で保険資料を確認する経営者

この見出しでは「保険は本当に必要か」という疑問に、業態特有のリスク構造から結論をお伝えします。

コインランドリーは、店員が常駐しない無人営業と24時間稼働という、他業態にはない特性を持っています。スタッフが常時見守っているわけではないため、火災や設備トラブル、盗難、来店者のケガといったリスクが重なって発生しやすく、保険は経営リスクマネジメントの前提になります

弊社が不動産オーナー様の施設賠償責任保険や、トランクルーム経営者様の保険相談でも共通してお伝えしているのは、問題が発生してからの対応では手遅れになる場合があるため、事前の備えが基本的なリスク管理になるという考え方です。コインランドリーには法律上の保険加入義務はありませんが、無人営業ゆえに何かが起きた際すぐには対応できないという実務上の事情から、任意保険での備えの価値は高いといえます。

無人営業・24時間稼働という業態特有のリスク構造

洗濯機・乾燥機が稼働し続ける深夜早朝も、店内には従業員がいません。異常が起きても発見が遅れやすく、被害が拡大しやすいのが無人店舗の弱点です。

「保険なし経営」で実際に起こりうる困りごと

保険に入らないまま経営を続けた場合、設備の火災や盗難、来店者からの賠償請求が起きたとき、修繕費や賠償金をすべて自己資金でまかなうことになります。あらかじめ保険で備えておけば、こうした突発的な出費による資金繰りの悪化を防ぎやすくなります

コインランドリー経営で想定される主なリスク

コインランドリーの洗濯機・乾燥機の故障を点検する様子

コインランドリー経営でどのようなリスクが想定されるのか、開業前に押さえておきたい代表的なリスクを整理します。

火災・落雷・爆発による設備・店舗の損害

洗濯機・乾燥機は熱と電気を扱う設備のため、火災や漏電、落雷による損害のリスクがあります。店舗と設備が一体で被害を受けると、修繕費用は高額になりがちです。

洗濯機・乾燥機の故障による衣類の破損・弁償トラブル

設備の不具合で衣類が破損・変色した場合、利用者から弁償を求められることがあります。原因が設備側にあると判断されれば、賠償責任を問われる可能性は否定できません

両替機・精算機の盗難・破壊(無人店舗特有のリスク)

無人店舗では、両替機や精算機が盗難・破壊の対象になりやすいという弱点があります。防犯カメラや施錠といったハード面の対策だけでは、盗難を完全に防ぐことは難しく、金銭的な備えとしての保険を組み合わせることが無人店舗のリスク管理の基本になります

地震・台風・浸水などの自然災害リスク

地震保険は政府と民間保険会社が共同で運営する制度です(財務省 地震保険制度の概要)。台風や大雨による浸水被害も、立地によっては軽視できないリスクです。

設備停止による休業損失(売上補償の視点)

設備トラブルや災害で営業を一時停止せざるを得なくなった場合、その間の売上機会も失われます。修繕費用だけでなく、営業できない期間の収益減少まで視野に入れておくと、必要な補償の範囲を判断しやすくなります。

見落とされがちな「来店者への賠償リスク」と施設賠償責任保険

コインランドリー店内の来店者事故リスクを示す様子

来店者がケガをした場合の賠償リスクは、保険専門記事でもあまり触れられていない見落とされがちな論点です。

来店者がケガをした場合、経営者はどこまで責任を問われるか

コインランドリーの店内で、来店者が両替機に指を挟んでケガをしたり、洗剤や水で濡れた床で転倒したりするケースは、一般的に想定される事故のひとつです。設備や店舗の管理に不備があったと判断されれば、施設の管理者として賠償責任を問われる可能性があります。国民生活センターには、店舗や施設内での転倒・接触事故に関する相談が寄せられていることが公表されています(国民生活センター)。

施設賠償責任保険で補償される範囲とできないこと

施設賠償責任保険は、管理する施設が原因で来訪者や第三者に損害を与えた場合の賠償責任をカバーする保険です。補償の対象は、損害賠償金・損害防止費用・訴訟費用・協力費用の4種類に整理されることが一般的です。賃貸不動産の分野では、100万円以上の賠償金請求に至るケースも珍しくないとされており、コインランドリーにおいても同程度の規模の賠償リスクは想定しておく必要があります。

【関連記事】施設賠償責任保険は大家に必要?で詳しく解説

施設賠償責任保険の補償内容や加入の考え方について、より詳しく整理した記事もご用意しています。あわせて施設賠償責任保険は大家に必要?をご覧いただくと理解が深まります。

コインランドリー経営に必要な保険の種類

コインランドリー経営に必要な保険の種類を比較する様子

コインランドリー経営に加入を検討したい保険の種類を、ここで整理しておきましょう。

火災保険(設備・什器・建物を補償)

火災保険は、火災や落雷、爆発、水災などによる建物・設備・什器の損害を補償する基本の保険です。洗濯機・乾燥機といった主要設備も対象に含められるプランが一般的です。

施設賠償責任保険(来店者への賠償を補償)

前章で解説した施設賠償責任保険は、来店者への賠償リスクをカバーします。火災保険と施設賠償責任保険の2つを軸に、ご自身の経営形態に応じた補償範囲を整理することが基本的な考え方になります。

企業総合保険・コインランドリー特化パッケージ保険(まとめて補償するタイプ)

火災保険と賠償責任保険を個別に契約する方法のほか、企業総合保険やコインランドリー向けのパッケージ型保険としてまとめて契約する方法もあります。補償範囲の抜け漏れを防ぎやすく、契約の管理もシンプルになりやすいのがまとめて契約するメリットです。

休業損失(利益)保険の選択肢

設備トラブルや災害で営業を一時停止した際の売上減少を補償する休業損失保険(利益保険)も選択肢のひとつです。すべての方に必須というわけではありませんが、固定費の大きい店舗ほど検討する価値があります。

弊社では特定の保険会社に偏らず、複数社のプランを比較した上でのご提案を基本としています。どの組み合わせが適しているかは店舗の規模や運営形態によって異なりますので、個別にご相談いただくことをおすすめします。

コインランドリー経営の保険料はどのくらい?相場感の目安

コインランドリー経営の保険料相場を試算する様子

保険料がどの程度かかるのか、開業資金計画に組み込みやすいよう目安を確認しましょう。

保険料を左右する主な要素(店舗規模・立地・補償範囲)

保険料は店舗の規模、立地条件、補償の範囲によって変動します。コインランドリー全体(火災保険・施設賠償責任保険・休業損失保険を合算した総額)の一律の相場をお伝えすることは難しく、ご事情によって差が出る点はご了承ください。目安として、施設賠償責任保険単体であれば月額1,000〜5,000円程度が参考になる水準です

運転資金計画に保険料を組み込む考え方

保険料は毎月発生する固定費のひとつです。開業時の資金計画に保険料を組み込んでおかないと、後から想定外の固定費として資金繰りを圧迫してしまうことがあります。開業前の段階で、複数社の見積りを比較しながら年間の保険料総額を試算しておくと安心です。

保険でカバーされないケースに注意

保険の免責事項・補償対象外のケースを確認する様子

保険はすべてのトラブルを補償するわけではありません。過度な期待をしないよう、あらかじめ確認しておきたい点を整理します。

注意

保険で補償されないケースの例

  • 利用客同士のトラブルによる損害
  • 経営者や第三者の故意による損害
  • 経年劣化やメンテナンス不足による故障

利用客同士のトラブル・故意による損害

利用客同士の私的なトラブルや、故意による損害は、原則として補償対象外となる免責事由にあたります。

経年劣化・メンテナンス不足による故障

設備の経年劣化や、日常的なメンテナンス不足が原因の故障は、多くの保険で補償対象外となるケースが見られます。保険はあくまで偶発的な事故への備えであり、日頃の点検・メンテナンスと組み合わせて初めて実効性を持つという理解が大切です

複数物件・多角経営オーナーは「保険をまとめて見直す」視点も

複数物件・多角経営オーナーが保険をまとめて見直す様子

アパートや駐車場など、コインランドリー以外の物件・事業もあわせて経営されている方に向けた視点です。

物件ごとに保険会社・担当者が異なることで起きる管理負担

複数の物件・事業を経営していると、保険会社や担当者が物件ごとにバラバラになりやすいという課題が生じます。更新時期がそれぞれ異なるため管理の手間が増え、事故が起きた際の窓口も分散してしまいます。

アパート・駐車場・トランクルーム・民泊との「多角経営シリーズ」

保険をまとめる際の実務的な手順としては、まず加入中の保険証券をすべて洗い出し、重複や過不足がないかを専門家に診断してもらった上で、複数の保険をひとつの窓口にまとめて契約し直すという3ステップが基本になります。保険料の重複分を削減できるほか、事故発生時の対応窓口が一本化され、更新時期も一元管理しやすくなります

弊社では、標準パッケージを一律に販売する大手代理店とは異なり、1対1・1社1社の個別オリジナル提案体制でご相談を承っています。コインランドリーに加え、トランクルーム経営に必要な保険賃貸経営の個人賠償責任保険をまとめて入る方法といった多角経営向けのコンテンツもご用意しています。民泊など他の遊休地活用事業とあわせて経営されている場合も、まとめてのご相談が可能です。

個人事業主・法人での保険選定と経理処理の違い

個人事業主と法人で異なる保険の経理処理を確認する様子

個人事業主として始めるか、法人化しているかによって、保険の考え方や経理処理が変わってきます。

個人事業主として始める場合の保険の考え方

個人事業主は、健康保険の傷病手当金制度の対象外とされています(全国健康保険協会)。会社員のように収入が公的に補償される仕組みが薄いため、自身の稼働に収入が依存する部分が大きい方ほど保険での備えを検討する価値は高いといえます会社員と個人事業主では保障の前提が異なるため、保険の考え方も変わってきます

法人化している場合の保険料の経理処理(概要のみ)

法人で保険に加入する場合、保険の種類や受取人、契約時期によって、保険料を損金算入(経費計上)するか資産計上するかが変わってきます。どちらの処理が適切かは契約内容によって異なるため、詳しい仕訳例は法人保険の経理処理を分かりやすく解説で解説していますので、あわせてご確認ください。

いざという時の保険金請求の流れ

保険金請求のため保険会社に連絡するコインランドリー経営者

保険は「入って終わり」ではなく、いざという時にスムーズに使えることが大切です。ここでは一般的な請求の流れを解説します。

事故・トラブル発生時にまず行うこと

火災や設備故障、盗難、来店者のケガなどが発生した場合、まずは状況の記録(写真・時刻・被害内容)を残すことが基本です。

保険会社への連絡〜保険金受取までの一般的な流れ

一般的には、事故・トラブルの発生から、保険会社・代理店への連絡、必要書類の準備・提出、保険会社による調査・査定を経て、保険金の受取という流れで進みます。連絡が早いほど、その後の調査や手続きもスムーズに進みやすくなります

スムーズな請求のために日頃からしておきたい記録・準備

防犯カメラの映像保存期間の確認や、設備の点検記録、契約している保険の証券番号・連絡先を控えておくことも、いざという時の請求をスムーズにする備えになります。弊社では、保険金請求の対応にも数多く携わってきた経験から、日頃の記録の重要性をお客様にお伝えしています。

コインランドリー経営の保険選びで失敗しないためのポイント

保険のプロにコインランドリー経営の保険を相談する様子

最後に、コインランドリー経営の保険選びで失敗しないためのポイントを整理します。

補償内容を「まとめて比較」した上で選ぶことの重要性

火災保険・施設賠償責任保険・休業損失保険それぞれの補償範囲を個別に確認し、複数社のプランを比較した上で選ぶことが基本です。中小企業庁は事業継続計画(BCP)の策定を通じたリスク管理を中小企業に推奨しています(中小企業庁)。保険選びも、こうした事業継続の視点の一部として捉えていただくとよいでしょう。

迷ったら専門家に無料相談という選択肢

補償内容や保険料の妥当性に迷ったときは、特定の保険会社に偏らない立場の専門家に相談することで、過剰・不足のない補償を整理しやすくなります

まとめ

コインランドリー経営は無人・24時間稼働という特性上、火災・設備故障・盗難・来店者への賠償など複数のリスクが重なりやすい業態です。保険は法律上の義務ではありませんが、経営リスクマネジメントの前提として、開業前から検討しておくことをおすすめします。複数物件・多角経営をされている方は、まとめての見直しもあわせてご検討ください。

保険の組み合わせや保険料の相場感、免責事項など、ご自身の状況に当てはめて判断が難しい場合は、お問合せフォームより弊社までお気軽にご相談ください。特定の保険会社に偏らない中立的な立場で、複数社のプランを比較しながらご提案いたします。

よくある質問

コインランドリー経営に火災保険は必須ですか?

法律上の加入義務はありませんが、洗濯機・乾燥機など高額な設備を抱える業態のため、火災や漏電による損害に備える手段として検討をおすすめします。詳しくは「コインランドリー経営に必要な保険の種類」を参照してください。

コインランドリーの保険料は月々いくらくらいが目安ですか?

店舗規模や立地、補償範囲によって幅がありますが、施設賠償責任保険単体であれば月額1,000〜5,000円程度が参考水準です。火災保険等を含めた総額は個別の見積りでご確認いただくことをおすすめします。詳しくは「コインランドリー経営の保険料はどのくらい?」を参照してください。

無人のコインランドリーで盗難があった場合、保険は使えますか?

契約している保険の補償範囲次第ですが、両替機・精算機の盗難・破壊は無人店舗特有のリスクとして想定されるケースのひとつです。契約内容によって適用可否が異なるため、加入時に補償範囲を確認しておくと安心です。

施設賠償責任保険と火災保険は別々に加入する必要がありますか?

個別に契約する方法のほか、企業総合保険やパッケージ型保険としてまとめて契約する方法もあります。どちらが適しているかは経営形態によって異なるため、複数社のプランを比較した上で検討することをおすすめします。

個人事業主でもコインランドリー経営の保険に加入できますか?

個人事業主でも加入は可能です。個人事業主は健康保険の傷病手当金制度の対象外であるため、収入面での備えとあわせて保険を検討する方が多い傾向にあります。

複数の物件・事業を持っている場合、保険はまとめられますか?

加入中の保険証券を洗い出し、重複や過不足を診断した上で、複数の保険をひとつの窓口にまとめて契約し直すことが可能です。物件ごとに担当者が異なる煩雑さを解消したい方は、まとめてのご相談をおすすめします。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次