法人保険の経理処理を分かりやすく解説|種類別の仕訳例付き

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法人が生命保険や損害保険に加入する際、その保険料をどう経理処理するかは経営判断と税務効果を左右する重要なポイントです。2019年の税制改正以降、経理処理のルールが複雑化しており、「自社の処理が本当に正確か」と不安を感じる経営者・経理担当者の方も少なくありません。

本記事では、法人保険の経理処理を種類別(定期保険・養老保険・終身保険・医療保険)に分かりやすく解説し、保険料支払時から保険金受取時までの一連の仕訳例をご紹介します。複数の物件を保有されている不動産法人オーナー向けの具体的なケースも交えながら、代理店実務歴12年の視点から「よく見落とされるポイント」も明示いたします。

なお、税務処理の最終的な判断は、必ず顧問税理士または所轄税務署にご確認ください。本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。

この記事を3行で解説
  • 法人保険の経理処理は「保険種類」「受取人」「契約時期(2019年改正前後)」の3要素で決まり、この3点を押さえれば仕訳の方向性が見えてくる
  • 定期保険は最高解約返戻率により全額損金〜全額資産計上まで区分が異なり、養老・終身保険は原則として資産計上、第三分野保険はほぼ全額損金となるのが基本
  • まずは自社の保険契約ごとに「保険種類・受取人・契約日・最高解約返戻率」を一覧化し、本記事の該当セクションで仕訳例を確認してから、不明点を税理士や担当代理店に相談する流れが確実

記事の筆者
保険アドバイザー

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格

  • 損害保険募集人資格
  • 生命保険募集人資格
  • 損害保険大学課程資格
  • FP2級

保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%

目次

法人保険とは|損金と経理処理の基本概念

法人保険の経理処理を確認する経営者

法人保険とは、弊社の解説でも整理しているように、「企業の経営を円滑にし、企業が抱えるリスクを保険に移管するために加入する保険商品の総称」であり、損害保険と生命保険の両方を指します[^1]。経営者の死亡リスクや、物件・設備の損壊リスク、従業員への補償など、法人が向き合うリスクは多岐にわたります。

法人保険の種類と役割

法人保険は大きく以下の2カテゴリに分類されます[^1]。

損害保険(リスク移管型) – 火災保険・地震保険 – 賠償責任保険 – 自動車保険・傷害保険

生命保険(保障・貯蓄型) – 定期保険(経営者死亡時の保障) – 養老保険(満期金あり・福利厚生活用) – 終身保険(解約返戻金が積み上がる貯蓄型) – 医療保険・がん保険(第三分野保険)

不動産オーナーであれば火災保険・賠償責任保険が特に重要ですが、法人として複数物件を保有する場合は、経営者保障目的の生命保険も合わせて検討するケースが増えています。

「損金算入」と「資産計上」の意味

法人保険の経理処理で必ず登場する2つの概念を整理します。

処理方法 意味 税務上の効果
損金算入 保険料を「経費」として計上する その期の法人税課税所得を減額できる
資産計上 保険料を「資産(前払保険料・保険積立金等)」として貸借対照表に計上する その期の税務メリットはないが、将来の返戻金・保険金受取時に精算される
補足

「損金算入できる保険=節税になる」という理解は半分正解です。損金算入によって税負担を先送りできますが、将来の保険金・解約返戻金受取時に益金(収益)として課税が生じます。これを「課税の繰り延べ」と呼びます。「税金が消えるわけではない」という点は重要な前提です。

2019年税制改正が変えたこと(簡潔版)

2019年の税制改正により、法人保険の経理処理ルールは大きく変わりました。改正前は「全額損金で解約返戻金も多額に得られる節税保険」が広く利用されていましたが、改正後は解約返戻率が高い商品については「前払保険料(資産計上)」が必須となり、損金計上できる範囲が大きく制限されています。[^2]

改正の核心は、定期保険における「最高解約返戻率」という判定軸の導入です。この率によって、支払保険料の損金・資産計上の割合が決まる仕組みに統一されました。詳細は「H2-6: 2019年税制改正」のセクションで解説します。


定期保険の経理処理|最高解約返戻率による区分

定期保険の最高解約返戻率を確認する経営者

定期保険は、法人が経営者の死亡・就業不能リスクに備えるために加入するケースが最も多い保険です。2019年改正後、支払保険料の取り扱いは「最高解約返戻率」によって3つの区分に分かれます。

定期保険とは|法人が加入する理由

定期保険は保険期間中に被保険者(経営者等)が死亡・高度障害になった場合に法人が保険金を受け取る設計が基本です。受け取った保険金は、経営者死亡退職金の支払い、企業債務の返済、後継者への事業承継資金などに活用されます。

全額損金算入になるケース(最高解約返戻率50%以下)

解約返戻金が少ない定期保険(保険期間が短い商品等)は、保険料の全額を損金として計上できます

支払保険料: 月額200,000円の場合の仕訳(支払時)

借方: 保険料 200,000 円 / 貸方: 普通預金 200,000 円

解約返戻金が実質ゼロに近いため、将来の益金計上も最小限で済みます。税務上、最もシンプルな処理です。

4割損金扱いになるケース(最高解約返戻率50%超〜70%以下)

保険料のうち「60%を保険積立金(資産計上)、40%を損金」として分割する処理になります。

支払保険料: 月額200,000円の場合の仕訳(支払時)

借方: 保険積立金 120,000 円 / 貸方: 普通預金 200,000 円
借方: 保険料      80,000 円
補足

よく「4割損金」と略されますが、正確には「損金40%・資産60%」の分割処理です。「4割しか損金にならない」という方向で理解すると正確です。

全額資産計上になるケース(最高解約返戻率70%超)

貯蓄性の高い定期保険は、保険料支払い時に全額を資産計上します。

支払保険料: 月額200,000円の場合の仕訳(支払時)

借方: 保険積立金 200,000 円 / 貸方: 普通預金 200,000 円

満期・解約・保険金受取の際に、積み上がった保険積立金を取り崩して損益計上します。

注意

最高解約返戻率が85%を超えるケースでは、当初一定期間の損金割合がさらに細かく定められています。具体的な計算は各保険契約の設計書を確認するか、税理士にご相談ください。

【ttmgt独自】不動産法人オーナーが陥りやすい落とし穴

複数物件を保有する不動産法人オーナーが複数の定期保険に加入するケースでは、保険契約ごとに最高解約返戻率が異なるため「どの仕訳パターンを適用すべきか」が混在しやすくなります。

さらに弊社の現場で多く見る誤りに「30万円特例の合計判定ミス」があります。30万円の上限は「1契約あたり」ではなく「被保険者1人あたりの年換算保険料の合計」で判定します[^2]。

誤りやすい具体例: – 月額15,000円の定期保険 A(被保険者: 代表取締役) – 月額15,000円の定期保険 B(被保険者: 代表取締役・別会社用) – 2契約合計 = 月額30,000円 → 年間36万円 → 被保険者が同一のため、30万円特例の対象外

「1契約は15,000円以下だから特例が使える」と思い込んでいるケースは実務上少なくありません。複数保険の加入前に、被保険者ごとの合計額を必ず確認してください。

対策: 年1回、全保険契約の一覧表を作成し「保険種類・契約日・被保険者名・最高解約返戻率・年換算保険料・仕訳パターン」を整理することをお勧めします。


養老保険の経理処理|「全期払い」と「短期払い」の違い

養老保険は、満期を迎えた際に被保険者が生存していれば満期保険金を受け取れる設計の保険です。貯蓄性が高い分、損金算入が制限されやすい類型であり[^2]、法人の福利厚生策や役員退職金準備に活用されます。

養老保険とは|法人が加入する理由

定期保険と異なり「万が一の保障」と「満期時の資産形成」を両立できる点が特徴です。従業員の福利厚生保険として一括加入する中小企業でも活用されており、保険料の一部を損金に算入しながら退職金原資を積み立てる設計が可能です。

全期払い時の経理処理

保険期間全体にわたって保険料を支払うパターンです。受取人の設定(法人受取か従業員遺族受取か)によって仕訳が変わります。

法人受取(死亡保険金・満期保険金ともに法人)の場合

<保険料支払時(例: 月額120,000円)>
借方: 保険積立金 120,000 円 / 貸方: 普通預金 120,000 円

<満期保険金受取時(例: 積立総額1,200,000円、受取1,300,000円)>
借方: 普通預金 1,300,000 円 / 貸方: 保険積立金 1,200,000 円
                                     雑収入      100,000 円

受取額が既払い保険料(保険積立金の帳簿価額)を超えた差額100,000円が益金(課税)となります。

従業員遺族受取(死亡保険金のみ遺族)の場合

死亡保険金の受取人が従業員の遺族に設定されている場合は、その部分の保険料が「福利厚生費(損金)」として処理される場合があります。ただし、役員だけを対象にした設計は給与認定リスクがあるため、設計段階で税理士の確認を得ることをお勧めします。

短期払い時の経理処理(重要)

「保険期間30年だが払込期間は10年で完了」といった短期払い設計の場合、払込完了後も毎期の決算調整が必要になります。

ポイント

短期払い養老保険の経理処理は「払込期間中」と「払込完了後〜満期まで」で仕訳の構造が変わります。払込完了後、保険料を払っていないにもかかわらず毎期調整が必要になる点が複雑です。具体的な処理方法は税理士に個別確認することをお勧めします。

役員・従業員退職時の処理

法人が受け取る保険金と、役員・従業員が直接受け取る場合では税務処理が根本的に異なります。法人受取の場合は法人税の対象、個人受取の場合は所得税・相続税の対象となります。退職金として支払う際は死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人数)の活用も検討に値します[^3]。


終身保険の経理処理|「全額資産計上」が基本

終身保険は満期のない保険です。被保険者がいつ亡くなっても保険金が支払われる設計のため、「保障の確実性」と「解約返戻金の積み上がり」を兼ね備えた貯蓄性の高い保険です。

終身保険とは|終身保障と貯蓄性

解約返戻金が長期にわたって積み上がる特性上、最高解約返戻率は70%を超えるケースが大半です。したがって、保険料支払い時の処理は原則として全額資産計上になります。

支払時は全額資産計上が原則

支払保険料: 月額200,000円の場合の仕訳(支払時)

借方: 保険積立金 200,000 円 / 貸方: 普通預金 200,000 円

支払い時には損金が発生しない点で定期保険と大きく異なります。ただし将来の解約・保険金受取時に、保険積立金を超えた金額は益金として計上されます。

保険金受取時の処理

被保険者の死亡により法人が保険金を受け取った際は、保険積立金(帳簿価額)との差額が益金となります。

仕訳例(保険積立金の帳簿価額: 5,000,000円、受取保険金: 8,000,000円)

借方: 普通預金 8,000,000 円 / 貸方: 保険積立金 5,000,000 円
                                     雑収入      3,000,000 円
注意

受取時の益金3,000,000円は法人税の課税対象となります。受取後に役員退職金として支払う場合は、退職金の損金算入によってこの益金と相殺できる場合がありますが、計上タイミングや要件には注意が必要です。顧問税理士にご相談ください。

【ttmgt独自】経営者の相続対策への活用

不動産法人オーナーが複数物件を保有している場合、相続時には法人と個人の双方で税負担が発生するケースがあります。終身保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人数」の非課税枠があり、相続時の納税資金確保に活用できる選択肢の一つです。[^3]

ただし、この活用方法は保険設計・受取人設定・法人の資本政策との整合性が重要です。「保険で節税できると聞いた」という段階でご加入されると、後の解約・受取時に想定外の税負担が生じる可能性もあります。不動産法人ならではの相続対策については、弊社担当者にご相談ください。


第三分野保険(医療保険・がん保険)の経理処理

第三分野保険とは、医療保険・がん保険・介護保険など「生命保険でも損害保険でもない」疾病・介護に対応した保険の総称です。

第三分野保険とは|生命保険とは別カテゴリ

解約返戻金が少ない(通常20%未満)ため、弊社の解説でも「解約返戻率が低い類型として全額損金が基本」と整理しています[^2]。法人にとっては処理がシンプルな保険といえます。

保険料支払い時の処理(ほぼ全額損金)

第三分野保険の保険料は、ほぼ全額を損金として計上できます。従業員向けに加入している場合は「福利厚生費」として仕訳するのが一般的です。

従業員向け医療保険(月額100,000円)の仕訳(支払時)

借方: 福利厚生費 100,000 円 / 貸方: 普通預金 100,000 円
補足

全員(または合理的な区分の従業員全員)を対象とした医療保険は「福利厚生費」として損金算入できます。一方、役員のみを対象にした設計や、過度な補償内容の場合は「給与」と認定されるリスクがあります。

保険金・給付金受取時の処理

医療給付金を受け取った場合、原則として「雑収入」に区分します。

給付金100,000円を受取った場合

借方: 普通預金 100,000 円 / 貸方: 雑収入 100,000 円

ただし、既払い保険料の累計範囲内の給付金については益金不算入の特例があるケースもあります。税理士への確認をお勧めします。

従業員向け医療保険と福利厚生費の関係

従業員全員(または合理的な区分)を対象として加入する医療保険は、福利厚生費として損金算入できる選択肢があります。ただし「過度な補償」と判定されないよう注意が必要です。「役員だけを対象にした高額医療保険」は給与認定されるリスクがあるため、設計時に顧問税理士と確認することをお勧めします。


2019年税制改正による「全額損金の30万円特例」と改正ルール詳細

2019年税制改正後の法人保険経理処理ルールを確認する場面

2019年の改正は、法人保険の経理処理全体に影響を与えました。なかでも「30万円特例」は小規模企業や補完的保険加入に有利な仕組みとして活用できます。

「全額損金の30万円特例」とは何か

最高解約返戻率が70%以下の定期保険または一定の第三分野保険のうち、被保険者1人あたりの年換算保険料合計が30万円以下の場合、保険料の全額を損金算入できる特例です。[^2]

小規模な経営者保障保険や従業員向けの定期保険で、この特例が使えるケースがあります。

適用条件と計算方法

特例を適用するための主な条件は以下のとおりです。

  • 保険契約日が2019年7月8日以後であること
  • 保険金受取人が法人であること
  • 最高解約返戻率が70%以下であること
  • 被保険者1人あたりの年換算保険料合計が30万円以下であること

判定の注意点(弊社記事より)[^2]

注意

「30万円」は契約ごとの金額ではなく、被保険者1人あたりの年換算保険料の「合計」で判定します。月額15,000円の定期保険を被保険者が同一の2契約で持っている場合、月額合計30,000円、年間36万円となり、30万円特例は適用されません。この合計判定の見落としが実務上の誤りとして多く見られます。

改正前後での仕訳の変化

改正前(2019年7月8日より前の契約)は、各保険会社が設計した「解約返戻率テーブル」によって損金算入の判定が行われていたため、同一保険でも設計次第で全額損金になるケースが多くありました。

改正後(2019年7月8日以後の契約)は、最高解約返戻率という統一の基準が設けられ、返戻率が高いほど損金が制限される透明な仕組みに変わっています[^4]。

改正によって「損金算入ルール」がどう複雑化したか

定期保険の損金算入パターンは現在、以下のように多様化しています。

パターン 最高解約返戻率 処理内容
全額損金(30万円特例) 70%以下 かつ 年換算30万円以下 保険料全額を損金算入
全額損金 50%以下 保険料全額を損金算入
損金40%・資産60% 50%超〜70%以下 分割計上
損金・資産の比率が詳細区分 70%超〜85%以下 期間に応じた段階的割合
原則全額資産計上 85%超 払込期間中はほぼ全額資産計上

自社の保険がどのパターンに該当するかは、各保険契約の「設計書」に記載された最高解約返戻率を確認することが第一歩です。2019年以前の契約と以後の契約が混在している企業では、旧ルールと新ルールが並行して適用されるため、一覧管理が不可欠です。


【ttmgt独自】代理店実務から見た「経理処理でよく見落とされるポイント」

法人保険の経理処理でよく見落とされるポイントを確認する経営者

保険代理店として12年の実務経験から、弊社が現場で頻繁に見かける「経理処理上の落とし穴」をまとめます。以下のパターンは、いずれも弊社サイトの解説記事および実務対応事例から確認されている実態です[^5]。

複数物件・複数保険契約での仕訳一覧化の遅延

不動産法人が複数物件・複数の保険を保有する場合、「保険会社から送られてきた通知をそのまま処理している」という状態が長期化するケースがあります。結果として、契約ごとに異なる最高解約返戻率に対応した仕訳が混在し、誤った処理が続いていることに気づかない状況が生まれます。

ポイント

対策: 年1回、全保険契約の一覧表を作成することをお勧めします。

  • 一覧項目: 保険種類 / 保険会社 / 契約日(2019年7月8日前後の区分) / 被保険者 / 年換算保険料 / 最高解約返戻率 / 該当仕訳パターン
  • 担当経理・税理士と共有し、次回決算前に最新化する

解約返戻金受取時に「雑収入」として計上し忘れ

保険を解約した際、受取った解約返戻金が「保険積立金の帳簿価額を超える部分」は益金として計上する必要があります。この計上漏れが申告誤りに発展するケースがあります。

弊社が確認している実例として、「節税保険に加入したが資金が必要になり予定より早く解約。解約返戻金が払込保険料を下回っただけでなく、益金の計上が漏れており税務調査で指摘を受けた」というケースがあります。[^5]

確認ポイント: – 解約返戻金 > 保険積立金(帳簿価額)の場合 → 差額を雑収入に計上 – 解約返戻金 < 保険積立金(帳簿価額)の場合 → 差額を雑損失に計上

給付金受取と益金計上のタイミング誤り

医療保険の入院給付金を受け取った際に「いつの決算で計上するか」を誤るケースがあります。原則は「給付金が口座に振り込まれた日(受取日)」の属する事業年度で計上します。

決算日の直後に振り込まれた場合は翌年度計上となるため、「年をまたいだ場合に前年度に誤計上していた」というケースに注意が必要です。

改正ルール(2019年)を知らずに「古い処理」を続けている

2019年7月8日以前の契約は旧ルール、以後の契約は新ルールが適用されます。この「混在状態」のまま、すべての保険を旧ルールで処理し続けている企業が実務上少なくありません。

また、役員のみを被保険者とした保険料全額を福利厚生費として処理していた場合、給与認定リスクが発生する可能性があります[^5]。

「この保険はいつ契約したのか」を確認せずに処理を継続することは、誤りの温床になります。まずは契約日の確認から始めてください。


まとめ

法人保険の経理処理は、「保険種類」「受取人」「契約時期(2019年改正前後)」の3軸で決まります。各ポイントを改めて整理します。

  • **定期保険**: 最高解約返戻率により「全額損金 / 損金40%・資産60% / 全額資産計上」の3パターン
  • **養老保険**: 貯蓄性が高く損金算入が制限されやすい。受取人設定により処理が変わる
  • **終身保険**: 支払時は原則全額資産計上。受取時に積立金超過分が益金となる
  • **第三分野保険(医療・がん)**: ほぼ全額損金が基本。給与認定リスクに注意
  • **2019年改正**: 最高解約返戻率による統一基準が導入。30万円特例は「被保険者1人あたりの合計」で判定
  • **複数契約の一覧化**: 不動産法人は特に「全契約の条件整理」が誤り防止の要

今の法人保険の仕訳は正確ですか? 弊社では、保険代理店の視点から保険の経理処理・見直しをサポートしております。個別事情が多い法人保険だからこそ、専門家との連携が大切です。

ポイント

特に以下のケースでは、税理士または弊社担当者へのご相談をお勧めします:

  • 複数物件・複数保険契約を保有しており、仕訳パターンを一度も整理したことがない
  • 2019年改正前後の保険契約が混在している
  • 保険金・解約返戻金受取時の税務判定が不確実
  • 相続対策と法人保険の活用を同時に検討している

弊社の保険コンサルタント(保険業界歴12年・損害保険大学課程資格取得・FP2級)が、個別事情に応じた保険の経理処理・見直し対策をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

[内部リンク: https://ttmgt.co.jp/inquiry/]


よくある質問

法人が受け取った保険金は全て雑収入になるのか?

いいえ。保険金のうち「既払い保険料(保険積立金の帳簿価額)の範囲」は返金扱いとなり、益金にはなりません。受取額が既払い額(帳簿価額)を超えた部分のみが雑収入(益金)として課税対象となります。たとえば、保険積立金5,000,000円の保険で8,000,000円の保険金を受け取った場合、益金となるのは差額の3,000,000円です。

保険種類が同じでも「受取人が異なる」と仕訳は変わるのか?

はい、変わります。受取人が法人か個人(役員遺族等)かによって経理処理・税務処理が根本的に異なります。法人受取の場合は法人税の対象となり、個人受取の場合は所得税・相続税の対象となります。受取人の設定は保険設計時点で顧問税理士と確認しておくことで、後の税務対応がスムーズになります。

古い保険(2019年以前の契約)と新しい保険(2019年7月8日以後の契約)が混在している場合、どう処理するのか?

各保険契約の契約日を確認し、旧ルール(改正前)と新ルール(改正後)をそれぞれ適用してください。「新しく加入した保険も古い処理で統一してしまった」というケースは実務上の誤りとして多く見られます。一覧表を作成して契約ごとの適用ルールを明示化することが、誤り防止の基本的な対策です。

決算期の途中で保険を解約した場合、受け取った解約返戻金をいつ計上するのか?

解約返戻金を受け取った日(原則: 約定口座への振込日)の属する事業年度で計上します。決算日後の振込であれば翌年度計上となります。解約の意思決定が決算直前にある場合は、振込日のタイミングを税理士と確認したうえで実行することをお勧めします。

保険料の支払い方(月払い・年払い・一括払い)が異なる場合、仕訳のタイミングは変わるのか?

仕訳パターン(全額損金か資産計上かの区分)は変わりません。ただし仕訳を切るタイミングは変わります。月払いであれば毎月、年払いであれば年1回、一括払いであれば支払い時に計上します。また年払い保険料のうち次期以降に対応する分は「前払費用(資産)」として期末に繰り延べる処理が必要になる場合があります。

法人保険の解約をした場合、決算上の「過去の保険積立金」は調整する必要があるのか?

はい、必要です。解約時には、貸借対照表に計上されていた保険積立金の全額を取り崩す必要があります。受取った解約返戻金が保険積立金を上回る場合は差額を雑収入に、下回る場合は差額を雑損失に計上します。具体的な金額は保険証書・解約返戻金明細書で確認し、顧問税理士と連携して処理することをお勧めします。


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