不動産オーナーの相続対策として、生命保険の「非課税枠(500万円×法定相続人の数)」を活用することで、相続税の課税対象を大幅に圧縮できる可能性があります。
複数の物件を所有しているほど、相続は複雑になります。不動産は現金と違って簡単に分けられないため、相続人の間でトラブルが起きやすく、相続税の負担も重くなりがちです。生命保険の非課税枠を活用し、代償分割の資金を手当てしておくことが、多くのオーナーに有効な対策の一つとして挙げられます。
本記事では、2011年の創業以来、不動産オーナー様の保険設計をサポートしてきた独立系保険代理店TTマネジメントが、物件複数所有の相続対策として生命保険をどう使うべきかを実践的に解説します。
税務上の取り扱いはお客様の個別事情によって異なりますので、具体的な判断は税理士・税務署へのご相談をお進めいただくことをお勧めします。
- 生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、相続税を大幅に削減できる可能性がある
- 複数物件を持つオーナーの相続では「代償分割」が現実的な選択肢になり、保険金がその資金として機能する
- 2026年以降の税制改正で賃貸不動産の評価が個別化される見込みのため、今から対策を検討しておくことが重要

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格
- 損害保険募集人資格
- 生命保険募集人資格
- 損害保険大学課程資格
- FP2級
保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%
不動産オーナーが相続で揉めやすい理由|物件複数所有の落とし穴

不動産相続でトラブルが起きやすいのは、資産の性質そのものに原因があります。現金や株式であれば、相続人の人数に応じて比較的スムーズに分けられます。しかし不動産は「物件をそのままの状態で複数人に分ける」ことができないため、相続の局面で様々な問題が噴き出しやすくなります。
「分割できない資産」が相続を複雑にする理由
アパートや区分マンションは、相続財産の中でも特にやっかいな存在です。1棟のアパートを2人の子どもで「公平に」分けようとすると、共有名義にするしかありません。しかし共有名義は、売却・修繕・リフォームのすべてに共有者全員の同意が必要になるため、将来の管理や売却時に新たな揉め事の火種になります。
一方、不動産の評価額は高額になりやすいため、相続税の負担も大きくなりがちです。たとえば、アパート1棟(評価額3,000万円)と区分マンション2室(評価額合計1,500万円)を所有していると、それだけで4,500万円の相続財産になります。預貯金が少ない場合、相続税を払う現金が不足する「納税資金問題」も起きやすくなります。
物件が多いほど相続は複雑になる。これが不動産オーナーの相続対策を早期に始めるべき理由の一つです。
複数物件オーナーに起きやすい相続トラブルパターン
相続トラブルの大半は「遺産の分け方への不公平感」から発生します(日本弁護士連合会の統計によると、相続紛争の約75%が遺産分割を原因とするものです)。不動産オーナーのケースでは、特に次のようなパターンが見られます。
- 長男が物件を継承 → 次男は現金が少なく不満が残る
- 物件の評価額が兄弟間で合意できず、遺産分割協議が長期化
- 相続税の納付期限(相続開始から10か月以内)までに現金が用意できず、物件を急いで売却せざるを得ない
相続税の申告・納付期限は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」です。現金が不足していても期限は延びません。納税資金の確保は、相続対策において特に重要な検討項目となります。
2026年改正で相続対策が急務になった背景
2026年1月以降、相続税における賃貸不動産の評価方法が個別化される方向で議論されています。従来は、建物の老朽度や周辺の空室率を考慮せず画一的な評価がなされていましたが、改正後は個別の物件状況がより反映される評価方法に移行する見込みです。
評価が個別化される側面もありますが、築年数の古い物件や空室が多い物件では、従来よりも高く評価される可能性が指摘されています。「まだ先の話」と思わず、今から保険を活用した対策をご検討いただくことをお勧めします。
生命保険の非課税枠の仕組み|500万円×法定相続人の数

生命保険の非課税枠は、相続対策において活用できる代表的な制度の一つです。被保険者が亡くなったとき、相続人が受け取る死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、相続人が受け取る場合に限り、一定額を非課税にできる枠が設けられています。
生命保険金が「相続税」「所得税」「贈与税」の3つになる理由
死亡保険金の課税関係は、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって大きく変わります。弊社のサービス解説でもお伝えしているように、課税の種類は以下の3パターンに分かれます。
| 契約者 | 被保険者 | 受取人 | 課税の種類 |
|---|---|---|---|
| 父(被相続人) | 父 | 子(相続人) | 相続税(非課税枠あり) |
| 子 | 父 | 子 | 所得税(一時所得) |
| 父 | 子 | 孫 | 贈与税 |
相続対策として非課税枠を活用するためには、「契約者(および保険料負担者)=被相続人」「受取人=法定相続人」という形で契約することが前提です。
保険料を実際に負担した人と契約者名義が異なる場合、課税関係が変わることがあります。保険設計の段階で税理士への確認をお勧めします(個別事情により取り扱いが異なります)。
非課税枠を計算するうえで重要な「法定相続人の数」
非課税枠の計算式は「500万円×法定相続人の数」です。この「法定相続人」の数え方には、いくつか注意点があります。
- 相続を放棄した人も法定相続人の数に含めてカウントする(税法上の扱い)
- 養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までカウント可能
- 代襲相続人(孫など)も法定相続人に含まれる
たとえば、相続人が配偶者と子ども2人(法定相続人3名)の場合、非課税枠は「500万円×3名=1,500万円」になります。
具体例で計算してみる|田中さん(妻+子2人)のケース
法定相続人が配偶者1名・子ども2名の合計3名の場合のシミュレーションです。
- 非課税枠: 500万円×3名=1,500万円
- 相続税の基礎控除: 3,000万円+(600万円×3名)=4,800万円
- 合計で最大6,300万円が非課税(保険非課税枠+基礎控除)の範囲に収まる可能性があります
相続財産の総額がこの範囲に収まれば、相続税はかからないケースが考えられます。不動産の評価額が大きくこの範囲を超える場合でも、非課税枠を最大限活用することで課税対象を圧縮できる可能性があります。
これはあくまで概算であり、実際の相続税計算は相続財産の内容・控除の適用状況によって大きく変わります。個別のシミュレーションについては税理士または弊社の無料相談をご活用ください。
代償分割で生命保険が活躍する仕組み

複数物件を持つ不動産オーナーの相続で、最も現実的な選択肢の一つが「代償分割」です。
代償分割の仕組みと相続トラブルを防ぐメカニズム
遺産の分割方法には、大きく4種類あります。
| 分割方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 現物分割 | 財産をそのまま各相続人に分ける | 物件を共有名義にするリスクあり |
| 換価分割 | 財産を売却して現金で分ける | 物件を手放さなければならない |
| 代償分割 | 一人が物件を引き継ぎ、他の相続人に現金で清算する | 物件を維持しながら公平性を保てる |
| 共有分割 | 複数人が共有名義で相続する | 将来の管理・処分に支障が出やすい |
不動産オーナーが「物件をそのまま続けて管理したい」と考える場合、代償分割が合理的な選択肢の一つになります。しかしこの場合、物件を引き継いだ相続人が他の相続人に「代償金(現金)」を用意しなければなりません。
この代償金の調達先として、生命保険の死亡保険金を活用する方法が考えられます。
保険金が代償分割資金として優れている理由
保険金を代償分割資金に使う大きなメリットは「確実性」です。
- 被保険者が亡くなると、請求から数日〜2週間程度で保険金が支払われる
- 銀行ローンとは違い、利息の負担がない
- 遺産分割協議が成立していなくても、受取人が直接請求できる(遺産分割の対象外)
- 相続税の申告期限(10か月以内)に十分間に合う
不動産を売却して代償金を捻出しようとすると、不動産市況・買い手の有無・売却にかかる期間など、多くの不確定要素が絡みます。一方、保険金は金額・受取人・受取時期が事前に確定しているため、相続設計の軸として使いやすい特徴があります。
代償分割のシミュレーション|物件複数所有の場合
たとえば、次のようなケースを考えてみましょう。
- 相続財産: アパート1棟(評価額3,000万円)+区分マンション2室(評価額合計1,500万円)+預貯金500万円
- 相続人: 長男・次男の2名
- 長男がアパート(3,000万円)を継承し、次男に現金で清算する場合
この場合、相続財産の合計は5,000万円で、単純に2等分すると各2,500万円が法定相続分になります。長男が3,000万円のアパートを引き継ぐ場合、差額の500万円を次男への代償金として用意する必要があります。
生命保険を1,000万円(500万円×2名の非課税枠を活用)で設計することにより、代償金500万円の支払いと相続税の一部納付資金を同時に確保する方法が考えられます。
個別のシミュレーションはお客様の物件状況・相続人数・評価額によって大きく異なります。個別事情を踏まえた設計については、税理士と保険代理店を交えてご相談ください。
一時払い終身保険 vs 平準払い終身保険|不動産オーナーが選ぶべき保険

相続対策の生命保険として選ばれることが多いのが「終身保険」です。死亡保険金が一生涯にわたって保障される点が、相続対策に向いている理由です。終身保険には大きく「一時払い」と「平準払い(月払い・年払い)」の2種類があります。
一時払い終身保険の特徴と不動産オーナーに向く理由
一時払い終身保険は、保険料を一括で支払う商品です。
- まとまった現金を一度で支払い、死亡時に保険金を受け取れる
- 平準払いと比べ、払込期間が短い分だけ保険料の総額が安くなるケースが多い
- 解約返戻金が保険料を上回るタイミングが早く、貯蓄性も高い
- 相続が見込まれる時期までに、短期間で非課税枠を確保したいオーナーに適している
手元に1,000万円以上のまとまった資金があり、早期に相続対策を固めたい不動産オーナーには、一時払い終身保険が選択肢になりやすいです。ただし、加入後に解約すると返戻金が払込保険料を下回るケースもあるため、長期で保有する前提でのご検討をお勧めします。
平準払い終身保険の特徴と長期計画向けの活用
平準払い終身保険は、月払い・年払いで保険料を分割して支払う商品です。
- 毎月の保険料負担を抑えながら、死亡保障を確保できる
- 保険料払込期間の終了後も保障は一生涯続く
- 手元資金に余裕がない時期でも相続対策を始めやすい
- キャッシュフローを安定させながら保険を積み上げたいオーナーに適している
複数社の商品比較(はなさく生命・メットライフ・マニュライフ等)
TTマネジメントは三井住友海上・損保ジャパン・はなさく生命(2023年10月から取り扱い開始)をはじめとする複数の保険会社と取引がある独立系代理店です。特定の1社の商品だけを勧めるのではなく、お客様の状況に応じて複数社の商品を横断的に比較した上でご提案しています。弊社の取扱保険会社・会社情報も参考にされてください。
終身保険の返戻率(払込保険料に対する死亡保険金の比率)や保険料水準は保険会社・年齢・性別・保険金額によって大きく異なります。商品の優劣は一概にいえません。各保険会社の最新情報をご確認の上、ご相談ください。
あなたの資金状況で選ぶ
- 手元に1,000万円以上の余裕資金がある・相続が数年〜10年以内と想定される → 一時払い終身保険をご検討
- 月5〜10万円程度を長期間積み立てたい・物件の収益から保険料を賄いたい → 平準払い終身保険をご検討
- 資金状況が不安定・物件のローン返済中 → まずキャッシュフローを整理した上で保険設計
どちらの保険が相続対策として適切かは、物件の数・相続人構成・資金力・相続時期の見込みによって変わります。個別の状況に応じた設計については、弊社の無料相談フォームからお気軽にご相談ください。
2026年改正「賃貸不動産評価5年ルール」との連動解説

2026年以降、賃貸不動産の相続税評価に関するルールが変わる見込みです。これまでの評価方法との違いを理解した上で、保険との組み合わせ戦略をご検討いただくことをお勧めします。
2026年以降の賃貸不動産評価方法の変更
これまで、相続税における不動産評価は「路線価・固定資産税評価額」を基準とした画一的な評価が中心でした。しかし国税庁は、こうした画一的評価が節税目的で悪用されているケースへの対応として、評価方法の見直しを進めています(令和4年4月19日付の通達等を参照)。
具体的には、市場価格との著しい乖離がある場合に個別の評価(再計算)が求められるようになっており、今後は建物の老朽度・地域の空室率・実勢価格との比較がより重視される方向です。
この改正は「相続節税目的の新規取得による極端な評価減」を防ぐことが主な狙いです。すでに長期保有している賃貸物件については、従来の評価方法が適用されるケースも多くあります。個別の判断は税理士への確認が必要です(個別事情により取り扱いが異なります)。
相続税がいくら増える?シミュレーション
評価方法の個別化が進むと、相続税の計算上の不動産評価額が変わる可能性があります。
たとえば、評価額が3,000万円とされていた賃貸アパートが、市場価格に近い4,000万円で評価される場合、その差額1,000万円が課税対象に加わる計算になります。相続税率によっては、数十万円〜数百万円の税額増につながるケースも考えられます(個別事情によって大きく異なります)。
保険と組み合わせて改正に対応する戦略
評価の見直しにより課税対象が増える可能性に備えるためには、生命保険の非課税枠を先手で活用して課税対象の圧縮を図る戦略をご検討いただくことをお勧めします。
生命保険の非課税枠は、相続開始時点での保有保険で決まります。「改正後に慌てて加入する」のではなく、今から保険設計を進めておくことで、改正の影響を受けにくい相続体制を構築できる可能性があります。
弊社では、改正動向を踏まえた最新の保険設計ご提案が可能です。お気軽にお問い合わせください。
実際の相続税額を計算してみる|3つのシミュレーション

以下のシミュレーションは、相続税の公的な計算方法(国税庁公表の税率・控除額)に基づく一般的な試算です。実際の相続税額は、お客様の固有の事情・各種控除の適用有無によって大きく変わります。あくまで参考値としてご確認ください。
シミュレーション1|子2人・物件2つ(田中さんのようなケース)
前提条件 – 相続財産: 不動産(評価額3,500万円)+預貯金500万円=合計4,000万円 – 相続人: 子ども2名(配偶者はすでに他界、または相続放棄) – 生命保険: 加入なし → あり(1,000万円)の比較
| 項目 | 保険なし | 保険あり(1,000万円) |
|---|---|---|
| 相続財産合計 | 4,000万円 | 4,000万円 |
| 生命保険非課税枠 | 0円 | ▲1,000万円(500万円×2名) |
| 基礎控除 | ▲4,200万円 | ▲4,200万円 |
| 課税対象 | 0円(控除内) | 課税なし(控除内) |
このケースでは基礎控除内に収まりますが、不動産評価額が5,000万円を超える場合は課税が発生する可能性があります。その際に保険の非課税枠があるかどうかで、数十万円〜数百万円の差が生まれるケースが考えられます。
シミュレーション2|子3人・物件4つ(規模が大きいケース)
前提条件 – 相続財産: 不動産4物件(評価額合計8,000万円)+預貯金1,000万円=合計9,000万円 – 相続人: 子ども3名 – 生命保険加入: なし → あり(1,500万円)の比較
| 項目 | 保険なし | 保険あり(1,500万円) |
|---|---|---|
| 相続財産合計 | 9,000万円 | 9,000万円 |
| 生命保険非課税枠 | 0円 | ▲1,500万円(500万円×3名) |
| 基礎控除 | ▲4,800万円 | ▲4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 4,200万円 | 2,700万円 |
| 相続税(概算) | 約660万円 | 約415万円 |
| 節税効果(概算) | — | 約245万円 |
※相続税の計算は法定相続分按分・累進税率を適用した概算です。配偶者控除等の各種控除は適用していません。
物件が4つになると、保険の非課税枠の有無だけで200万円以上の税額差が生まれる可能性があります。
シミュレーション3|妻+成人子2人(配偶者控除活用パターン)
前提条件 – 相続財産: 不動産(評価額6,000万円)+預貯金1,000万円=合計7,000万円 – 相続人: 配偶者1名+子ども2名(法定相続人3名) – 生命保険: 1,500万円(受取人=子ども2名)
配偶者には「配偶者の税額軽減」の制度があり、法定相続分または1億6,000万円のどちらか大きい金額まで相続税が課されません。この特例を活用しながら、子ども2名を受取人とした生命保険で非課税枠(1,000万円分)を確保する方法も、相続税対策の選択肢の一つとして挙げられます。
ただし、配偶者控除の活用は「二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)」も含めた長期的な視点が必要です。一次相続で配偶者に多く相続させると、二次相続で子どもたちへの相続税が重くなることもあります。長期的なシミュレーションは税理士と連携した上でお進めいただくことをお勧めします。
受取人を誰にするかで変わる相続税|最適な受取人指定方法

生命保険の受取人は、相続が発生してからでは変更できません。生前に適切な受取人を設定しておくことが、相続対策の精度を左右します。
子が受取人の場合|非課税枠を直結活用するメリット
被相続人(父)が保険料を負担し、子どもを受取人に設定した場合は「みなし相続財産」として相続税の対象になり、非課税枠(500万円×法定相続人数)が適用されます。受取人と課税の関係については受取人指定に関する詳細解説もご参照ください。
子どもが直接保険金を受け取ることで、代償分割資金の確保と相続税の節税を同時に図れる可能性があります。複数の子どもに分けて受け取らせたい場合も、受取割合を事前に指定しておけば対応可能です。
妻が受取人の場合|配偶者控除との組み合わせ
配偶者を受取人にする場合も、非課税枠は適用されます。ただし、配偶者には別途「配偶者の税額軽減」という大きな控除制度があるため、保険の非課税枠と組み合わせることで相続税負担をより小さくできる可能性があります。
一方で、前述の「二次相続問題」には注意が必要です。配偶者が保険金を受け取ると、その財産は将来的に子どもへの相続財産に加わります。一次相続・二次相続の合計税額を最小化する視点も重要です。
受取人を法人(同族法人など)にした場合は、保険金は法人の益金となり法人税の対象になります。非課税枠は適用されません。個人の相続対策では、受取人は法定相続人(配偶者・子など)に設定することが原則です。
相続開始後の受取人変更は不可|生前に決定する重要性
受取人の変更は、被保険者(保険対象者)が生存中にしか行えません。相続が発生してからでは変更できないため、相続対策として生命保険を活用する場合は、早期に受取人を決定しておくことが不可欠です。
また、受取人の子どもが未成年の場合は、保険金の管理に関して追加の考慮が必要になることもあります(法定代理人による管理等)。こうした細かい設定については、保険会社・税理士・弊社保険コンサルタントが連携してサポートします。
生命保険でカバーできない落とし穴|注意すべきポイント

生命保険は相続対策の選択肢として有用ですが、万能ではありません。過剰な期待を持たないよう、代表的な注意点をお伝えします。
非課税枠は法定相続人にのみ|配偶者がいない場合の注意
生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、受取人が法定相続人であることが前提です。たとえば、孫や内縁の配偶者を受取人にした場合、その人が法定相続人でなければ非課税枠は適用されません。保険金はみなし相続財産として全額相続税の対象になります。
また、相続人でない人が受取人の場合、保険金は2割加算の対象になるケースもあります(相続税法上の扱い)。受取人の設定には細心の注意が必要です。詳細は税理士へのご確認をお勧めします。
加入年齢が高いと保険料が割高|申込みは早めに
終身保険の保険料は、加入年齢が上がるほど高くなります。たとえば、同じ1,000万円の終身保険でも、45歳で加入する場合と55歳で加入する場合では月々の保険料に大きな差が生まれます。また、健康状態によっては加入できないケースや、特定の部位・疾病が保障対象外になる条件付き契約になることもあります。
「相続が近くなってから考えよう」では、対応が後手に回る可能性があります。保険料の負担を抑えながら非課税枠を確保するためにも、相続を意識し始めたら早めにご検討いただくことをお勧めします。
保険は完全な解決策ではない|必ず専門家に相談を
弊社では、保険のご提案とあわせて、税理士・弁護士の先生とのご相談を強くお勧めしています。生命保険は相続対策の「一部」であり、遺言書の作成・遺産分割協議の準備・贈与税の活用などと組み合わせてはじめて、包括的な相続対策になります。
相続対策の3本柱として押さえておきたいこと
- 生命保険の活用(非課税枠・代償分割資金・納税資金)
- 遺言書の作成(遺産分割の方向性を事前に決める)
- 税理士・弁護士との連携(個別事情に応じた最適な設計)
今からできる相続対策|保険加入から実行までのステップ

「いつから始めれば間に合うか」というご質問は、不動産オーナーのお客様からよく伺います。
50代で始める相続対策タイムライン
50代は、子どもへの相続を最初に意識し始める時期でありながら、まだ選択肢が多い時期でもあります。
50代での生命保険加入は、保険料水準・健康状態・保険商品の選択肢のいずれの面でも、60代以降と比べて有利な条件で進めやすい傾向があります。
目安となるタイムラインの例です(個別事情によって異なります)。
- 今月〜来月: 現状の相続財産の棚卸し(物件評価額・預貯金・既存保険の確認)
- 1〜2か月以内: 税理士・保険代理店への相談(シミュレーションを依頼)
- 3か月以内: 保険商品の選定・申込手続き
- 加入後: 受取人の設定・遺言書の準備を並行して進める
60代で始める相続対策|遅くはないが早めに
60代での加入は保険料が高くなるため、一時払い型を中心に検討するケースが増えます。また、健康状態によって加入条件が厳しくなるリスクもあるため、「まだ大丈夫」と後回しにしないことが重要です。
60代のオーナーに特にお勧めしたいのは、まず「現状の確認」から始めることです。既存の保険の内容・受取人・保険金額が現在の相続対策として十分かを見直すだけでも、大きな改善につながるケースがあります。
保険だけでなく「遺言・遺産分割協議」とセットで進める
弊社の提案プロセスは「現状ヒアリング→複数社の保険商品比較→ご提案→申込」という流れです。保険の加入と並行して、遺言書の準備・遺産分割の方向性を決めておくことで、保険金の使い方が明確になり、相続人間のトラブルも防ぎやすくなります。
業界歴12年・火災保険取扱件数2,000件のコンサルタントが、お客様の個別事情に応じた保険設計をサポートします。大阪本社・東京支店の2拠点対応ですので、まずはお気軽に無料相談フォームからご連絡ください。お電話でのご相談も受け付けています(03-6811-1128)。
まとめ
不動産オーナーの相続対策として、生命保険は有用な選択肢の一つです。
- 非課税枠(500万円×法定相続人の数)を活用することで、相続税の課税対象を圧縮できる可能性がある
- 代償分割の資金として保険金を使うことで、物件を売らずに相続人間の公平性を保てる場合がある
- 2026年以降の賃貸不動産評価の個別化を見据えると、早期の対策開始が重要
ただし、保険だけで相続のすべての問題を解決することはできません。遺言書・遺産分割協議・税理士との連携を組み合わせた、総合的な対策が求められます。
TTマネジメントは、2011年の創業以来、大阪・東京の2拠点で不動産オーナー様をはじめ多くのお客様の保険設計をサポートしてきた独立系保険代理店です。三井住友海上・損保ジャパン・はなさく生命など複数の保険会社の商品を中立的に比較した上でご提案できることが、弊社の強みです。
相続を見据えた保険活用について、まずは現状の整理からご相談ください。無料相談フォームからお申し込みいただけます。


