会社が契約する経営者保険(法人保険)の保険金受取人を「遺族」にするか「法人(会社)」にするか、その選択が定まっていない経営者・不動産オーナーの方は少なくありません。この受取人の選択一つで、課税される税金の種類・金額、そして遺族の経済状況が大きく変わります。
本記事では、受取人選択の意思決定フロー、各パターンの税務処理・経理処理、そして複数の保険会社を中立的に比較する代理店ならではの視点から、あなたの事業とご家族に合った選択肢をお伝えします。不動産オーナーとして相続を意識されている方には、物件承継と経営者保険の受取人設計を組み合わせた考え方も解説いたします。
最後に、遺族と法人どちらを受取人にすべきかを判断する4ステップの意思決定フローをご用意していますので、ご自身の状況に当てはめてご活用ください。
- 経営者保険の受取人は「遺族」か「法人」の2択で、選択により相続税・所得税・贈与税など課税パターンが変わる
- 判断のカギは「遺族への生活保障が第一か、事業継続が最優先か—この1点で大きく変わります」。本記事の4ステップ意思決定フローでケース別判断が可能
- 複数社を比較して保障額・保険料を最適化することで、受取人選択に基づいた最善の保険設計が実現する

【保険コンサルタント:長谷川】
保有資格
- 損害保険募集人資格
- 生命保険募集人資格
- 損害保険大学課程資格
- FP2級
保険業界歴12年、火災保険取扱件数2,000件、保険金の請求対応の顧客満足度98%
経営者保険の受取人が「遺族」「法人」の2つに分かれるワケ
経営者保険の受取人設計を理解するには、まず「契約の3者関係」を整理することが出発点です。受取人の違いが、保険金の行き先から税務処理まで大きく影響するからです。
経営者保険とは|被保険者と受取人の役割分担
経営者保険(法人保険)とは、会社が契約者として締結し、経営者を被保険者とする生命保険・損害保険の総称です。契約の3者関係は以下の通りです。
- 契約者: 会社(保険料を支払う)
- 被保険者: 経営者(万一の際に保険金支払いが発生する)
- 受取人: 遺族(配偶者・子ども等)または法人(会社)のいずれかを指定
経営者が亡くなった際、保険金がどこに入るかを決めるのが「受取人」の指定です。この選択は税務処理の根拠にもなるため、契約時に慎重に判断することが重要です。
受取人を「遺族」にした場合
弊社コラム「法人保険で経営者が亡くなったらどうなる?」でも解説している通り、受取人が遺族の場合、死亡保険金は配偶者・子どもなど相続人の手元に直接入ります。
遺族が受け取る保険金の主な使途としては、以下が挙げられます。
- 遺族の生活費・日常的な支出への充当
- 子どもの教育費や葬儀費用への活用
- 経営者の個人資産(不動産など)の相続税納税資金への活用
受取人が指定された生命保険の死亡保険金は、法的には「受取人固有の財産」として扱われます。一般的な相続財産(遺産分割の対象)とは区別されるため、他の相続人との分割を要しない点も特徴の一つです。
一方で、会社側には保険金が直接入らないため、経営者が急逝した際の運転資金の不足や、借入金の返済に充てる原資が生じないリスクについては事前に対策を検討しておく必要があります。
受取人を「法人(会社)」にした場合
弊社コラム「法人の死亡保険で事業承継を止めない方法」でも指摘している通り、受取人が法人の場合、死亡保険金は会社の銀行口座に入り、事業継続のための資金として活用できます。主な用途は以下の通りです。
- 借入金の返済・運転資金の補充
- 後継者への事業承継時の引継資金・設備投資資金
- 経営者の死亡退職金や弔慰金の原資
- 自社株の買い戻し費用(オーナー経営の場合)
「資金が必要な場所で判断する」という原則が、法人受取の設計における基本的な考え方です。会社側の資金需要(運転資金・借入対応・退職金原資)が大きい場合は、法人受取→規程に基づき支給という設計が選択肢の一つとなります。
受取人選択による税務処理の違い|相続税・所得税・贈与税
受取人の選択によって、保険金に課税される税金の「種類」が変わります。税負担の大小に直結する重要な知識ですので、3つのパターンを整理します。
受取人が遺族の場合の課税パターン
■ 相続税(最も一般的なパターン)
契約者が会社、被保険者が経営者、受取人が配偶者または子どもの場合、死亡保険金は「相続税の対象」となりますが、「500万円×法定相続人の人数」までの非課税枠が設けられています。
例えば、配偶者1人・子ども2人の合計3人が法定相続人であれば、1,500万円(500万円×3人)までは相続税がかかりません。超過分については相続税率(10〜55%)が適用されますが、他の相続財産(不動産・預貯金など)の総額とも連動して計算されます。
なお、弊社コラムで紹介している統計によると、相続税が課税された被相続人の割合は約9.9%(2023年・国税庁統計)です。相続財産が多い不動産オーナーの方は、この非課税枠に収まるかどうかの確認が特に重要な視点となります。
■ 所得税(特殊なケース)
契約者が経営者個人で、会社が保険料を負担しているケースなど、個人契約に近い形態では一時所得として所得税が課税される場合があります。法人保険の一般的な設計では稀なパターンですが、契約形態の確認は欠かせません。
■ 贈与税(設計段階で回避すべきケース)
契約者と受取人が異なり、かつ被保険者でもない人物(例:経営者が契約者・被保険者で、受取人が経営者の子ども)の場合、贈与税が課税されます。贈与税は相続税より税率が高くなりやすいため、設計段階でこのパターンは避けることをご検討ください。
受取人が法人(会社)の場合の課税パターン
受取人が法人の場合、死亡保険金は会社の益金(雑収入)として計上されます。弊社コラム「法人保険の経理と税務処理を初心者向けにプロがやさしく解説」でも解説している通り、法人保険は「節税」ではなく「課税の繰延」という考え方が基本です。
保険料支払い期間中に損金算入できた分は、保険金受取時に益金として計上されるため、税負担がゼロになるわけではありません。ただし、保険金受取と同じ決算期に死亡退職金などの損金が発生すれば、その影響で課税額が変動することもあります。
受取人決定の意思決定フロー|4ステップでケース別判断
「遺族と法人、どちらを受取人にすべきか」という問いに対して、一律の正解はありません。弊社の相談実績から抽出した判断軸を、フロー形式で整理します。
判断のカギは「遺族への生活保障が最優先か、それとも事業継続が最優先か—この1点で大きく変わります」。以下の4ステップで、あなたのケースに当てはまる選択肢を確認してください。
意思決定フロー(4ステップ)
Step 1: 遺族への生活保障が最優先か?
- YES → 受取人=遺族を中心に検討(次項「遺族が選択肢として浮かぶケース」参照)
- NO → Step 2 へ
Step 2: 会社の短期的な資金不足・借入金返済が懸念されるか?
- YES → 受取人=法人を中心に検討(「法人が選択肢として浮かぶケース」参照)
- NO → Step 3 へ
Step 3: 事業承継時の後継者への資金提供ニーズが高いか?
- YES → 受取人=法人が選択肢(従業員・複数承継者がいれば、遺族の余剰資金を事業に回す設計も検討)
- NO → Step 4 へ
Step 4: 経営者本人の相続財産(不動産・現金・有価証券)が多いか?
- YES → 受取人=遺族が選択肢(相続税の非課税枠を活用し、遺族の税負担を軽減する設計)
- NO → 受取人=法人が選択肢(会社資産の拡充、相続財産の分散化)
上記はあくまで判断の目安です。実際には複数の要素が絡み合うため、税務顧問・会計士・弊社のような保険代理店に相談した上で設計することをお勧めします。
「受取人=遺族」が選択肢として浮かぶケース
弊社コラムでも解説している通り、相続対策と事業承継対策は別物として設計することが重要です。受取人を遺族にすることが検討しやすい状況として、以下が挙げられます。
-
配偶者・子どもへの生活保障が第一優先 経営者が亡くなった際に、遺族の生活費・子どもの教育費が不安定になるリスクが高い場合。子どもがまだ学生・若年層で経済的自立が完了していないご家庭では、遺族受取の設計が生活保障の柱になることがあります。
-
経営者個人の相続財産(不動産・有価証券)が多い 相続財産が大きいほど相続税の負担も増えますが、生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の人数」の非課税枠があります。不動産オーナーで複数物件をお持ちの場合、保険金を相続税の納税資金として準備する設計が選択肢の一つとなります。
-
会社の経営が安定しており、短期の資金不足が見込まれない 借入金が少なく、後継者もすでに決まっているなど、事業継続リスクが低い場合は遺族受取の設計を選びやすい状況と言えます。
-
配偶者・子どもが相続人として保険金を管理できる環境 遺族が保険金を適切に管理・活用できる環境にある場合は、遺族受取の実効性が高まります。
「受取人=法人」が選択肢として浮かぶケース
弊社の事業承継コラムで指摘している通り、社長急逝の際は「退職金・弔慰金、納税資金、自社株整理費用」など同時多発的な資金需要が生じます。後継者が株は受け取っても現金がない状態を避けるため、法人受取の設計が検討される代表的な状況は以下の通りです。
-
会社の借入金が多く、短期的な資金ショートが懸念される 経営者亡き後、仕入先への支払いや金融機関への返済原資が不足するリスクがある場合は、法人受取で会社の流動性を確保する設計が選択肢となります。
-
事業承継が予定されており、引継資金・設備投資資金が必要 後継者への承継時に「設備の更新」「従業員への退職金」「自社株の買取資金」が必要になることが見込まれる場合に、法人受取の設計が検討されます。
-
経営が経営者個人に大きく依存している キーマン(中心人物)として、その方が不在になった後の立て直し期間を支援する資金が必要なケースに有効です。
-
遺族が経営に参加しない、または参加できない状況 配偶者・子どもが経営知識を持たない・参加する意思がない場合、受取人を法人にすることで会社が柔軟に資金を活用できます。
不動産オーナー向け特別ケース(物件承継×相続税対策)
不動産オーナー様が経営者保険の受取人設計を考える場合、「物件の相続」と「相続税の納税」という二重のリスクを同時に考慮することが求められます。
ここでは、ペルソナA(田中浩二様・52歳・1Rマンション3室+アパート1棟を保有する不動産オーナー)のような状況を例に、考え方を整理します。
背景と課題
田中様のように相続対象資産(不動産+現金)が一定規模に達している場合、相続発生時の「納税資金の確保」が重要な課題となります。不動産はすぐに現金化できないため、相続税の納税に必要な現金が不足しがちです。具体的には、次のような状況が起きやすい傾向にあります。
- 相続時に配偶者や子どもが「物件は相続するが、納税資金がない」という状況に陥りやすい
- 相続税の一括納付ができず、物件の売却を余儀なくされ、家賃収入が断たれるリスク
- 複数物件を保有している場合、各物件の火災保険・地震保険の見直しと並行して、経営者保険の受取人設計も一緒に検討する必要がある
相談から見える選択の考え方
弊社コラムでも解説している通り、「相続対策と事業承継対策は別物として設計する」ことが前提となります(弊社コラム: 法人保険で経営者が亡くなったらどうなる?)。田中様型の不動産オーナーの場合、受取人を遺族にして、保険金を「相続税の納税資金」として準備する設計が有効な選択肢の一つです。
- 遺族が物件を相続する際、保険金で相続税を納付することで、物件そのものを売却せずに済む
- 保険金は遺族の生活資金としても機能するため、物件保全と生活安定の両立が期待できる
選択後のメリット・デメリット
| 観点 | メリット | デメリット・留意点 |
|---|---|---|
| 物件の保全 | 売却せずに物件を次世代へ引き継げる | 保険金の保障額が納税額に不足する場合も |
| 遺族の生活安定 | 生活費・教育費・納税に充当できる | 会社の流動性が低下するリスクが残る |
| 経理処理 | 受取人=遺族の場合、保険料の損金扱いが比較的シンプル | 2019年税務改正後も要確認(保険種類による) |
| 相続税対応 | 非課税枠(500万円×人数)を最大限活用できる | 相続財産総額によっては枠内に収まらない場合も |
ここでの事例はペルソナ設定に基づく例示です。実際の保険設計はお客様個別のご事情(物件評価額・借入残高・ご家族構成・税務状況)によって異なります。複数物件をお持ちの場合は、火災保険の見直しと合わせてご相談いただくことで、全体最適の設計が可能になります。
法人受取時の死亡退職金・弔慰金設計|遺族への配分を実現する方法
受取人を「法人」にした場合、「遺族は一切保障を受けられないのでは」と心配される経営者の方がいらっしゃいます。しかし、これは誤解です。法人受取であっても、適切な規程を整備することで遺族への支給が実現できます。
「法人受取=遺族が何ももらえない」は誤解
会社が受け取った保険金を「死亡退職金」として規程に基づき遺族に支給することは可能です。この場合、遺族にも相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の人数)が適用されるため、相続税負担の軽減と遺族への現金支給を同時に実現できます。
弊社コラム「法人の死亡保険で事業承継を止めない方法」でも解説している通り、規程整備と受取人設計を先に固めることで「保険金を受け取ったが遺族への支給方法が決まっていない」という混乱を未然に防ぐことができます。
死亡退職金と弔慰金の違い
■ 死亡退職金
- 定義: 会社が規程に基づいて遺族に支給する退職金
- 税務上の扱い: 遺族が受け取るため相続税の非課税枠(500万円×法定相続人数)が適用される
- 受給対象: 配偶者・子ども等の相続人
- ポイント: 事前に「役員退職金規程」を整備しておく必要がある
■ 弔慰金
- 定義: 業務上の死亡等で会社から遺族に支給される一時金(福利厚生の一種)
- 税務上の扱い: 給与の3ヶ月分程度が相場とされ、それ以内であれば非課税扱い。超過分は給与扱いとなる
- 受給対象: 生計を一にしていた遺族
法人受取+死亡退職金設計のメリット
会社が受け取った保険金で経営継続資金を確保しつつ、役員退職金規程に基づいて遺族に死亡退職金を支給することで、遺族も相続税の非課税枠の恩恵を受けられます。この設計では、以下のバランスを実現できます。
- 経営継続資金の確保(法人として保険金を一時的に受け取る)
- 遺族への現金支給(死亡退職金として規程に基づき支給)
- 相続税負担の軽減(死亡退職金の非課税枠を活用)
死亡退職金設計を有効にするためには、事前に「役員退職金規程」の整備が必要です。規程がない状態では、恣意的な支給とみなされるリスクがあります。設計段階で弊社または税務顧問にご相談いただくことをお勧めします。
受取人別の経理処理と会計上の扱い
受取人の選択は、会社の経理処理にも直接影響します。支払った保険料の会計上の扱い、受け取った保険金の計上方法について整理します。
受取人が遺族の場合の経理処理
支払保険料の扱い
法人が保険料を負担し、受取人が経営者の遺族(相続人)の場合、保険料は「福利厚生費」または「保険料(損金)」として会社の費用に計上できます。ただし、被保険者が特定の役員のみで遺族受取の場合は取り扱いが異なることがあるため、詳細は税務顧問・会計士にご確認ください。
受け取った保険金の扱い
受取人が遺族の場合、保険金は遺族個人の収入(相続税の対象)として処理されます。会社の帳簿には直接影響せず、法人の益金には計上されません。
受取人が法人(会社)の場合の経理処理
弊社コラム「法人保険の経理と税務処理を初心者向けにプロがやさしく解説」で詳述している通り、受取人が法人の場合、仕訳処理のポイントは以下の通りです。
支払保険料の扱い(2019年税務改正後)
- 解約返戻率50%以下: 保険料全額を損金算入
- 解約返戻率50%超〜70%以下: 一部を「前払保険料(資産)」として計上、残りを損金算入
- 解約返戻率70%超〜85%以下: 資産計上割合がさらに増加
受け取った保険金の扱い
保険金は会社の益金(雑収入)として計上されます。弊社コラムでも指摘している通り、法人保険の受取保険金には課税が発生するため、税引後の手取り額を想定した保障額の設計が重要です。つまり、必要な保障額は「法人実効税率で調整した課税後の手取り額ベース」で設計する必要があります(弊社コラム: 法人保険はいくら払うべき?)。
支払保険料として資産計上してきた前払保険料は、保険金受取時に損金(費用)として計上され、差額が課税対象となります。
保険種類別の会計処理(参考表)
| 保険種類 | 受取人=遺族 | 受取人=法人 | 注記 |
|---|---|---|---|
| 定期保険 | 保険料は損金 | 保険料の一部のみ損金(2019年改正後) | 掛け捨て型・短期 |
| 養老保険 | 保険料は損金 | 保険料全額損金(満期時の益金処理に注意) | 満期返戻金あり |
| 終身保険 | 保険料は損金 | 保険料の一部のみ損金 | 長期・資産形成型 |
| 第三分野(医療・がん) | 保険料は損金(個人負担分との区別注意) | 福利厚生費として損金 | 従業員向けが主 |
上記はあくまで概要です。保険種類・契約内容・解約返戻率によって詳細が異なります。会計処理の最終判断は必ず税務顧問・会計士にご確認ください。
受取人変更の手続きと注意点
受取人の設計は、契約後に見直す機会もあります。変更手続きは比較的シンプルですが、税務上の影響が伴うため、事前に専門家への相談が欠かせない場面です。変更手続きの基本フローと留意点をご確認ください。
受取人変更の基本フロー
- 契約している保険会社の「受取人変更届」を取り寄せる
- 現在の受取人(指定されている人物)と新しい受取人の署名・捺印を用意する
- 必要書類を保険会社へ提出し、受理を確認する
手続きの詳細は保険会社ごとに異なりますので、ご不明な場合は弊社または保険会社にご相談ください。
変更時の税務上の注意点
弊社の法人保険活用コラム「失敗しない法人保険活用テクニックと見直し術」でも指摘している通り、受取人を変更した場合、変更日以降の税務処理が切り替わります。
既に支払い済みの保険料と新しい受取人指定の関係で、課税パターンが変動する可能性があります。変更のタイミング(決算時期・保険年度)にも注意が必要です。必ず税務顧問・会計士に事前報告した上で手続きすることをお勧めします。
税務顧問または弊社のような代理店に事前相談することが、受取人変更で後悔しないための最重要ステップです。変更後に「想定外の課税が発生した」というご相談を弊社でも承ることがあります。変更を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
被保険者・契約者変更が伴う場合
経営者の退職・役員交代時に、被保険者や契約者を変更する必要が生じるケースがあります。単純な「受取人変更」では対応できず、解約・新規契約を検討すべきケースも少なくありません。こうした場面では、弊社のような専門の保険代理店へのご相談が特に重要です。
複数社の保険を比較して、最適な受取人設計を実現する
受取人設計の方向性が決まったら、次は「どの保険会社の、どの商品を選ぶか」という段階に入ります。ここで中立的な代理店の活用が大きな意味を持ちます。
単一の保険会社だけでは見落としやすいこと
1社の保険会社との契約では、選択肢はその会社の商品ラインナップ内に限られます。同じ「受取人=法人」の設計でも、保険会社ごとに以下のような違いがあります。
- 同じ保障額でも、保険料の水準が保険会社によって異なる
- 解約返戻金の推移(ピーク時期・金額)が商品ごとに異なる
- 特約の種類・条件(就業不能・重篤疾患など)の幅が各社で違う
1社専属の営業担当者から提案を受ける場合、その会社の商品の中で最適なものが提示されますが、他社にさらに合った商品がある可能性もあります。これは特定の会社を批判するものではなく、保険選びの構造的な特性として知っておくべき点です。
複数社比較のメリット
弊社コラム「法人保険は代理店から入ると高い?おすすめの加入方法と選び方を解説」でも解説している通り、最低2〜3社からの提案比較が、客観的な評価の基本です。複数社比較の具体的なメリットを整理します。
-
保険料の最適化 同じ保障額・受取人設計でも、複数社を比較することで保険料の差異を確認できます。長期契約になるほど、保険料の差が累積コストに影響します。
-
保障内容の充実 「事業承継対応に強い定期保険」「高額な遺族保障が必要な終身保険」など、会社のニーズに合わせた商品の組み合わせが可能になります。
-
見直し・変更時の柔軟性 受取人変更や保険種類の変更の際、別の保険会社への切り替えも視野に入れられます。長期保有に伴う解約返戻金の変化も、事前に複数パターンで比較しておくことで判断の根拠になります。
中立代理店(弊社)ならではの提案プロセス
弊社では、複数の保険会社と提携し、中立的な立場でご提案いたします。保険コンサルタント長谷川(保険業界歴12年・火災保険取扱件数2,000件・顧客満足度98%)が担当し、以下のステップでサポートします。
- ヒアリング: 会社の資金状況・借入残高、経営者の年齢・健康状態、遺族の生活費ニーズなどを丁寧にお伺いします。
- 意思決定フローの適用: 本記事で解説した判断軸に基づき、受取人候補を絞り込みます。
- 複数社見積り: 受取人設計が固まった後、複数の保険会社の商品を並べて比較します。見積り作成には通常、数営業日程度(目安)かかります。
- 提案・納得サポート: 「なぜこの保険か」を丁寧にご説明し、お客様が納得した上でご契約いただけるようにサポートいたします。
損害保険大学課程・FP2級を保有する専門家として、複数社の商品を中立的に比較し、「受取人設計に最適な保険」をご提案するのが弊社の役割です。押し売りはいたしませんので、まずは現在の契約内容の診断・整理からお気軽にご相談ください。
受取人設計で失敗しないための3つのポイント
最後に、経営者保険の受取人設計で実際に起きやすいトラブルと、回避のための視点を整理します。
ポイント1:「遺族の意思確認」を後回しにしない
経営者お一人で受取人を決定してしまい、「実は遺族が経営者保険の存在を知らなかった」という状況は、弊社のお客様からもご相談いただくケースの一つです。受取人が遺族であれば、配偶者・成人した子どもにも保険の存在と受取方法をお伝えしておくことが大切です。
- 受け取り方法(一括・分割など)もご家族で話し合っておく
- 相続税対策も含めた「家族会議」を定期的に設けることをお勧めします
- 長期保有する契約ですので、更新・見直しのタイミングを家族で共有する
家族全員が保険の内容を把握していることで、万一の際にスムーズな手続きが可能になります。
遺族との事前コミュニケーションは、受取人設計の最重要プロセスです。保険の存在を知らなかった遺族が、受取手続きで困るケースを弊社でも承っています。
ポイント2:「保険を放置しない」〜役員交代・退職時の見直しは必須
弊社の法人保険活用コラムでも指摘している通り、法人保険を一度契約すると、そのまま放置されてしまうケースが少なくありません。特に注意が必要な場面は以下の3つです。
- 経営者の定年・役員交代時: 被保険者がリタイアしたのに保険契約が残ったままになるリスク
- 後継者への事業承継時: 新経営者の死亡時も保障が必要かどうか、受取人の再検討が必要
- 契約者・被保険者のミスマッチ: 昔の契約が現経営体制と合わなくなっているケース
弊社コラムでも推奨している「税制改正・経営計画の変更・資金繰り状況の変化」の3つのトリガーを意識し、定期的(3年ごと目安)に見直す習慣をつけることをお勧めします(弊社コラム: 失敗しない法人保険活用テクニックと見直し術)。
ポイント3:「複数の保険会社に相談する」〜中立代理店の活用
1社の保険会社や営業担当者だけに任せてしまうと、意図せずその会社の得意商品・ノルマ商品に誘導されるリスクがあります。弊社コラムでも「最低2〜3社比較」を推奨している通り、複数社の見積りを比較することで最適な商品が見つかります。
- 複数社の比較を経ることで、同じ受取人設計でも保険料・保障内容の最適化が図れます
- 万一トラブルが生じた際も、複数社との付き合いがあれば柔軟に対応可能です
弊社は特定の保険会社に偏らない「中立代理店」として、受取人設計を含めた最適な保険提案をサポートいたします。まずは現在の契約内容の整理からお気軽にご相談ください。
まとめ|受取人選択で、事業と遺族の両方を守る
経営者保険の受取人選択は、単なる手続き上の問題ではありません。事業の継続と遺族の生活保障、どちらを優先するかというご判断が、受取人設計の根幹となります。
本記事でお伝えしたポイントを振り返ります。
- 受取人の選択(遺族 or 法人)によって、相続税・所得税・贈与税など課税パターンが大きく異なる
- 4ステップの意思決定フローを使い、ニーズ別に「遺族受取」「法人受取」の最適なパターンを絞り込める
- 法人受取でも「死亡退職金規程」を整備することで、遺族も相続税の非課税枠を活用した支給が可能
- 不動産オーナーの方は、物件承継と相続税対策を組み合わせた受取人設計が選択肢の一つ
- 複数社の保険を比較することで、保険料の最適化と保障の充実が実現する
- 役員交代・事業承継などのタイミングで定期的に見直すことで、最適な状態を維持できる
「今の経営者保険の受取人設計が正しいか不安」「複数社を比較した上で最適な提案を受けたい」という方は、ぜひ弊社の無料相談をご活用ください。
弊社では、経営者保険の受取人設計をサポートする無料保険診断を実施しています。保険コンサルタント長谷川(保険業界歴12年・顧客満足度98%)が、複数の保険会社の中から中立的にプランをご提案いたします。押し売りはいたしませんので、まずは現在の契約内容の確認・整理からお気軽にご相談ください。

